3回目の副反応は、強い?弱い?


一青 とても根本的な質問かもしれませんが、コロナワクチンにおける西洋人と東洋人の違いがあったりするのでしょうか。

山田 例えば、日本やアジア諸国でもワクチンの研究が進められていて、それによると有効性あるいは副反応においても、今のところは国によって大きな差がないようです。なので、人種による差はそれほど大きくないのではないかと考えられています。

――ワクチンの接種においては副反応に悩まされた人も多いですが、3回目も副反応は覚悟したほうがいいのでしょうか。山田さんはどうでしたか。

山田 治験によると1回目、2回目とそれほど大きく変わらないというデータが出ています。私自身はというと、接種部位の痛みはありましたが熱が出たりといった他の症状はなく、比較的軽かったようです。

同僚には熱が出た人もいましたが、聞いた限りでは2回目より1回目の副反応に近い印象だと言っている人が多かったですね。(1回目よりも)2回目のほうで副反応が強いケースが多いので、おそらく比較的軽いということなのでしょうけれども、これは個人差があって比較するのが難しいのでイメージとしてとどめていただくのがよいかと思います。

――ファイザーとモデルナで副反応の違いはありますか。

山田 モデルナは高い効果が期待できますが、副反応も強く出る傾向が見られていたので、3回目は投与量を半分にするというような修正を行っています。これは臨床試験を行ったうえでの修正ですので、おそらく日本でも同じになるのではないかと思います。ちなみにファイザーは3回目も同じ投与量です。

また、アメリカではミックス&マッチといってコロナワクチンの混合使用もよいとされています。例えば、1・2回目でモデルナを受けて副反応が苦しかったので、3回目はファイザーにしようということができるのです。

このミックス&マッチもデータが蓄積されてきていて、同じワクチンを打った場合と同等あるいはそれより少し高い効果が得られるという報告もあります。日本はまだミックス&マッチを検討中のようですが、もしかしたら好きなワクチンを選ぶことも可能になるかもしれません。

 


ワクチンの効果をどう考えればよい?


一青 イギリスではマスク着用の義務も撤廃されたようです。ワクチンを接種して感染者が減った状況でも、引き続き自身の予防対策も続けるべきでしょうか。

山田 そうですね。ワクチンの効果を0%か100%かで判断されてしまうと誤解が生じるところで、実際はどちらも正解ではありません。効果は0~100%の間で動くようなイメージを持っていただきたいのです。

例えば2回接種を終えて1カ月後の重症化や感染の予防率が高いことはわかっています。それでも100%ということはない。感染する確率、重症化する確率が0%になることはないのですね。

しかも、重症化予防はある程度高い効果を長期に維持できますが、感染予防効果は月日が経過すると次第に下がってしまうのは先ほど述べたとおりです。接種が先行している国は、いまこの感染予防効果が下がってきた状態にあるといえますから、日本はこうした先行事例を学びながら今後に備えて対策をしておくことが大切だといえます。


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構成/中川明紀
 
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