だからと言って、「義母さんの行為を気にしないように」といった忠告ほど、虚しく響くものはありません。だってそれは、「諦めなさい」と言っているようなもの。それこそ、あなたを絶望的な気持ちに追いやってしまいますよね。

 

実際に私も姑との同居時代に、実家の母から「相手は年寄り。先に逝く身なのだから辛抱しなさい」と言われ、「今の閉塞感があと20年も続くのか」と、自分がとても惨めで可哀想に思えた経験があります。あの時ほど落ち込んだことはありません。だからあなたにも、当時の私と同じ気持ちを決して味わってもらいたくないのです。

ですから、私はこう思うのです。あなた自身が、自分の心の奥底にある本当の気持ちに、もっともっと耳を傾ける必要があるということを。

「自分の城であるキッチンを思うようにしたい」「毎日の食事では自分の好みの器を使いたい」というささやかな気持ち。さらに、そのもっと奥にあるであろう「義母と同居せずに暮らすことができたら、どんなに良いだろうか」という、今まで封じ込めていた本当の気持ち。その両方を、自分自身で認めてあげませんか。

断捨離とは、不要・不適・不快なモノを取り除いていくことですが、それはモノに限ったことではありません。出来事にも人間関係にも通じることなのです。そのため、断捨離を始めると、見て見ぬふりをしていたことがどんどん浮かび上がってきます。そして、そこに向き合うことが状況を変容させるための第一歩なのです。

ここで注意しなくてはならないのが、あなたにとって不要・不適・不快なのは、義母との「同居」であることです。義母の存在そのものではありません。もしご自身の心の奥底に「同居しない暮らし」への思いがあったならば、素直に、いえ、積極的に自分自身で受け入れましょう。もしかすると事態が動き出すかもしれませんよ。

「別居なんて、物理的にも心理的にも、何よりも経済的に無理」だと思っていたはずなのに、正直な心を認めた途端、事態がなぜだか思いも寄らない展開をし始める不思議。そんなことを起こしてくれるのが断捨離です。だから今は、どんなに義母さんとの「イタチごっこ」が続いても、諦めることなく断捨離を続けてください。なぜなら、あなたの断捨離は、まだ始まったばかりなのですから。