悔し涙は努力の源であり、人生の「勲章」です


とはいえ、娘さんがそれほど落ち込むのは、「いい役をもらえる生徒は偉い」という先生の態度が一つの要因とも言えそうです。大人にならまだしも、報酬型の指導は子どもの才能の芽を摘みかねません。本来ならば不合格だった生徒にこそ寄り添い、流した涙を来たるべき時に繋いであげるのが指導者の役割のはず。役がもらえなかった途端に、手のひら返しを本当にしたとしたなら、別の先生を探すのもひとつの手かもしれません。

 

ただ忘れないでいただきたいのは、芸能の道は娘さんだけが「不戦勝」というわけにはいかない厳しい世界だということ。私もオーディションはたくさん受けましたが、200回受けて10回合格できればいいほうでした。ドラマや映画や舞台に出ている“名俳優”と呼ばれる多くの方だって、数えきれないほどのオーディションを受け、たくさんの涙を流しているはずです。

それでも悔しさをバネにレッスンに打ち込み、何度も何度もオーディションを受け続けたからこそ、今の輝きがあるはずです。挫折はみんなが通る道。不合格通知は、思い切って手を挙げた自分の「勲章」ですよ。

娘さんが10歳という年齢で、猛烈に落ち込むほど情熱を傾けられるものに出会えたことは、とても素晴らしいことです。マリモさんは娘さんに対して、不合格になることを恐れない気持ち、合格したら「選んでいただいてありがとうございます」と感謝できる謙虚さ、その両方を育ててあげてくださいね。ふたりが笑顔で準備をして、大きなチャンスを掴む日を楽しみにしています!

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取材・文/金澤英恵


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