新しい門出に
しばしば言われるとおり、中学受験というのは通過点に過ぎません。そもそも「有名私立中学の生徒である」ということは、その子のあるひとつの側面です。必要以上にそのことに拘るのは時間がもったいないとさえ言えます。
どこにいても自分であることは変わらないし、おそらく目標があればすることもさほど変わらないはず。少々強引ではありますが、それでも長い人生において12歳のたった1日の試験で思うような結果が出せなかったとして、巻き返せないはずがないのです。
保護者が冷静になり、中学受験を通じて成長することができたとポジティブに受け止めることができれば、子どももぐっと気が楽になり、早く切り替えることができるでしょう。
「第一志望に落ちたことも残念だったけれど、自分ではやるだけやったと思えたので数日後には前向きになってきました。でも一番応援してくれた母は、進学先の制服採寸に行ったときさえ少し悲しそうで、そのときは本当にごめんねって思いました」(2021年受験生)
このような声もまた、取材中にしばしば耳にします。子どもは、口にするしないに関わらず、保護者の反応を全身で受け止めています。だからこそ、「よく頑張ったね、中学生活が楽しみだね」と何度でも伝えたいですね。そして親子で充分にねぎらいあったら、思う存分我慢していた好きなことをしてください。
学力、目標に向かって努力する精神力、そしてぶつかるたびに強くなった家族の絆は頑張ったご褒美としてすべて手の中にあります。ゆっくりと休んだら、その結晶を抱いて、また新しい物語を始めましょう。
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『天現寺ウォーズ』 同録『御三家ウォーズ』著者/佐野倫子
解説/おおたとしまさ
東京の知られざる小学校・中学校受験のリアルを知ることができる、スパイシーエンタメ受験小説。
構成/山本理沙
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