家賃はなんと6分の1に!
「住みたいと思った下田地区は、街から30分ぐらい離れる奥の方だと冬は雪深くて不便なので、少しだけ街寄りのビギナーに良さそうなエリアで探しました。ただ、この地域には家をなんとかしたいという人はたくさんいても、表にはなかなか出てきません。だから空き家バンクの登録件数がそもそも少ないんですよ。空き家バンクには賃貸も売買も登録されていたので、どちらも視野に入れて探していましたが、賃貸もなかなかないし、買い物件は家財道具が残った家ばかりだったり。そんな時、たまたま賃貸でいい空き家が見つかったので、契約することになりました」
住んでいた目黒の家の2回目更新のタイミングにも間に合い、無事新たな住処を見つけることができた捧さん一家。居住部分は目黒の家に比べて2倍以上の広さになったにも関わらず、家賃はなんと6分の1! しかも移住によって、補助金も支給されました。
「今の家は特に安いんですよ(笑)。街エリアでは、2階建てのよくあるファミリーサイズのアパートで5、6万なので、せっかく田舎に来たのにそんなに安くないなって思っていましたが、こっちのエリアに来るとぐっと下がって広くて安いんですよね。しかも移住者には、条件はあるもののかなりの補助が出て、国からは移住支援金が100万円、市からも移住・定住支援補助金が出て、最初の1年間は家賃補助が月々5000円、2年目は1万円ってなぜか増えていくんですよ。東京の友人たちに話すと、“何それ!?”って言われて申し訳なくなるぐらい……(笑)。家賃が下がった分で、毎月夫婦二人がそれぞれ東京出張に行っても安いぐらいです。支援金に関しては、役所の地域経営課の方が親切にいろいろ教えてくださいました」
日本って本当に面白いなと
実は捧さん夫婦が経営するデザイン事務所は、まだ東京にオフィスを残してきています。普段は新潟の自宅兼事務所で仕事をして、必要であれば東京の事務所やお客さんのところに出向きますが、仕事に関して特に不自由はしていないそう。自宅から上越新幹線の最寄りである燕三条駅まで車で20分。そこから東京駅まで2時間弱なので、「むしろ東京ー大阪間より近くて負担は何もない」と捧さんは話します。
「東京にいた頃も日帰りで地方出張するのが当たり前だったので、そこまでハードルが高くないというか。今年のお正月は都内のホテルに泊まりましたが、数時間後には都会的な景色から一転、雪のチラつく新潟の我が家に帰ってきて、“ついさっきまでの暖かくてオシャレな東京は何?夢?”って笑っちゃうほど、数時間でのギャップがすごくて。今さらながら、日本って本当に面白いなと思います」
旦那さんの家族以外、誰も知り合いがいない状態で引っ越してきましたが、ご近所さんにも恵まれ、日々新たな発見があって面白いと話す捧さん。次回は田舎暮らしのリアルについて伺います。
取材・文・構成/井手朋子
前回記事「「移住したら生きるのがラクになった」人生が180度変わったシングルマザーの実話」>>
関連記事
「移住したら生きるのがラクになった」人生が180度変わったシングルマザーの実話>>
シングルマザーの決意。衝動に駆られて3ヶ月で移住...「鎌倉から縁もゆかりもない南信州へ」>>
東京から淡路島に「移住」したら、家事や仕事の不満が消え、人生が好転し始めた>>
「娘には自分の人生を自分で切り拓いていく生命力を身につけて欲しい」そう思って選んだ軽井沢生活>>
「田舎派」の彼と「都会派」の私。結婚後の住まい、私が折れるべき?【アン ミカさんのお悩み相談】>>
- 1
- 2
Comment