子どものような純粋な気持ちが思考力を高める


では、何によって思考力は培われるのでしょう? 池上さんは多くの子どもが持っている「知的好奇心」を挙げました。

「新しいことに遭遇したら『何だろう?』と知りたくなる、子どものような純粋な気持ちが知的好奇心です。子どもはひっきりなしに、『どうして?』『それって何?』と親に質問をします。そういう知的好奇心を、ずっと持ち続けるべきです」

続けて池上さんは、子どもの知的好奇心を伸ばすために大事なことや、やってはいけないことについて言及しています。

「子どもの疑問を、『うるさい』『そんなつまらないことを言うな』などと抑えつけてしまうと、知的好奇心は育ちません。子どもの疑問を大事にしてあげて、面白く答えてあげたり、自分もわからなければ一緒になって調べたりする、親なり先生なり、周囲の大人たちがいることが、知的好奇心を育てるには大切です」

 

大人になっても知的好奇心を持ち続けるには?


では、大人になっても知的好奇心を持ち続けるにはどうすれば良いのでしょう? 池上さんはご自身の学生時代の経験からその秘訣を導き出しています。

 

「新聞や本を通じて知ったことを話していると、級友たちが『へえ〜!』と驚いてくれました。そしていつしか「何でも知ってる池上君だから質問するんだけど、これどうなってるの?」などと声をかけられるようにもなりました。すると、『「知らない」とは言えないな、いろいろな疑問に答えられるようにしなければ』と思って、より探求心が広がっていきました。それが結果的に、いまこの年になっても続いているのです」