クロノタイプを意識した生活スタイルが大事


朝型、夜型は、それぞれメリットもあればデメリットもある。そう考えると、まずは自分のクロノタイプを知り、特にパフォーマンスを上げたいときやコンディションを整えたいときほど、クロノタイプに合わせた生活スタイルに切り替えることが大事であることが理解できると思います。

 

クロノタイプを変えたいときにするべきことは?


朝型の人の場合は、朝よりも夕方から夜にかけて強い光を浴びると夜型化します。夜にも起きていられる体になるには、朝は遮光カーテンなどを使用して光が入りにくい寝室の環境を整えましょう。太陽の光は雨や曇りの日でも非常に強いものなので、午前から午後4時くらいまでに外出する場合はサングラスを着用し、経路を選べる場合は地下や建物のなかを通っていくことをおすすめします。そして、光が少し弱くなってくる午後4時以降は、外出時につけていたサングラスを外し、積極的に光を浴びます。室内で過ごす場合でもブルーライトカットの眼鏡はせず、休憩のときは外の見える窓の近くに行き、積極的に光を浴びてください。

 

夜型の人はこれとは逆で、朝方に強い光を浴びると朝型化しやすくなります。「夜、眠気がこなくて寝つく時間が夜中の3時、朝は6時半起きで出社」というような人が、いままでよりも早い時間にすんなり眠れるようになるためには、可能なら朝は遮光カーテンではなく、朝日が部屋に入る環境で目覚めましょう。朝は、特に屋内で過ごす時間を減らせればベストですが、日光を浴びるために出勤時にひと駅分歩くだけでも十分。ダイエットにも効果があって、一石二鳥です。また、日光以外の光も関係することから、ネットサーフィンやスマホのチェックをするのも、夜寝る前の時間は避け、朝起きてからすることを提案しています。


著者プロフィール
穂積 桜(ほづみ さくら)さん:
日本医師会認定産業医、精神科専門医、漢方専門医、臨床心理士。2001年、札幌医科大学医学部を卒業し、札幌医科大学附属病院神経精神科、東京都立松沢病院などで精神科医として研鑽を積む。また、国立病院機構東京医療センター、北里大学東洋医学総合研究所において、内科、東洋医学の知識を幅広く習得。2014年より、精神科・内科の臨床経験のみならず、人事労務・法律の知識を併せ持つ産業医として活躍。

『朝型 夜型 中間型は遺伝で決まっている! クロノタイプ別 睡眠レッスン』
著者:穂積 桜 KADOKAWA 1540円(税込)

精神科医、産業医として社会の悩みに向き合ってきた著者が、睡眠の効能や重要性を伝えつつ、クロノタイプによって異なる睡眠との向き合い方を伝授。良質な睡眠を手に入れる方法を、現代のライフスタイルに合わせたかたちでわかりやすくレクチャーします。クロノタイプがわかる判定シートも収録しているので、自身のタイプが分からないという人でも安心です。



イラスト/伊藤美樹
構成/さくま健太