マスク着用と熱中症の関係について、医師が解説


山田:熱中症がマスクの着用によって増えるのかというご心配ですが、実は綺麗なデータが集まっているわけではありません。
いくつかの研究結果を見ると、マスクの着用によって感じる不快感など感覚的な問題は影響がありそうですが、マスクの着用で本当に熱中症が増えるということを証明した研究というのは必ずしもないのです。

どちらかと言えば影響は大きくないとも考えられているので、「マスクvs熱中症」と報道で言われるほどの根拠はなかったりするんですね。熱中症になる環境下では、マスクをしていようがしていまいが、熱中症は増えると言えます。
なのでこまめに水分をとる、体をクーリングする、日陰で休む、などの基本的な熱中症対策が必要です。

 

碓氷:マスクと熱中症の間にはっきりとした因果関係はないということですね。

山田:科学的な根拠があるかと問われると、ないと言ってよいと思います。

碓氷:水を飲むのは大事そうですよね。

新里:でも子どもって、水筒を渡しても遊びに夢中になってお水を飲まなかったりしますよね。

山田:しっかりと外から声をかけてあげることが大事ですね。動き回っている時は汗をかいて脱水状態になってしまうので、出かける前にしっかり水分補給をするのもポイントです。
運動中こまめに水分を取るよう声掛けをする、木陰で休む、またクーリングできる氷枕などがあれば、首元に当て体温を下げる工夫も有効です。クーリングと水分補給をしていただければよいですね。

新里:よく分かりました! ちなみに、子どもと大人、同じ対策で問題ないのでしょうか? というのも私の父が先日脱水症状のような状態になり、心配になったことがありまして。