熱中症の種類は2種類?高齢者と小さな子どもは特に注意。


山田:暑い中で体を動かされて起こした症状であれば子どもも大人も対応は同じです。例えば炎天下で買い物に出かけ歩いてる間にクラクラしてしまうという症状を防ぐためには、お出かけの前にしっかりと水分補給をすることが大事です。運動される方の場合、運動開始の4〜6時間前から水分摂取を開始した方がよいと言われています。

また、ご高齢の方の場合、水ではなく「お茶を飲んだから大丈夫」と言われることもありますが、お茶にはカフェインが入っていますよね。カフェインには利尿作用がありますので水分が尿として出て行きやすくなリます。すると水分摂取の効率が下がるので、熱中症対策という意味では普通の水やスポーツドリンクに切り替えていただくとよいと思います。

 

碓氷:僕も「お茶とコーヒー飲んでるからいいでしょ」と言ってました……。ちなみに、熱中症の予防法は分かりましたが、熱中症になったらどうすればいいのでしょう?

山田:本格的になってしまったら医療機関に来ていただいて、しっかりと治療する必要があリます。
若い方でも命を落とすことのある病気ですから、意識を失って倒れてしまった、痙攣をしているといった状況を見ればすぐに救急車を呼んでいただければと思います。ただ、だるそうにしていて、受け答えもある場合などでも放置すると治療が手遅れになることもあります。迷ったら医療機関を尋ねていただくというのが大事ですね。

熱中症の患者さんが病院に運ばれてきたら私達がどうするかと言いますと、体の体温を下げる・水分補給をしているんです。治療と予防は実質同じことをしていますね。

碓氷:なるほど。あと、熱中症かどうかの判断が難しいですよね。子どもの顔が真っ赤になっているけれど、一体どこからが熱中症なの? と悩みます。

山田:症状だけではわかりにくいですよね。ですので迷ったり不安になったら病院に相談していただくというスタンスで良いと思います。
また、熱中症も実は2種類あります。今までお話してきた熱中症は労作性熱中症といって運動・体を動かすことに関連した熱中症ですが、小さなお子さんや高齢の方に多いのが古典的熱中症です。

高齢の方がクーラーを使わず比較的暑い室内で過ごされて亡くなってしまう、小さなお子さんが暑い車内に取り残されて亡くなってしまうなど、悲しいニュースが届くことがありますよね。働く世代には関心を持たれにくい熱中症ですが、こうしたケースも覚えておいていただくことが必要です。

例えば、ご両親が一人暮らしをしていてクーラーをあまり使わない方だとしたら、夏の間は電話連絡を取って水分をとっているか・クーラーや扇風機をちゃんと使用しているかなどの声かけも大事だと思います。

碓氷:なるほど。これからの季節、気にしていきたいですね。今日もどうもありがとうございました。
 

写真/shutterstock
構成/新里百合子

 


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