YouTubeは「見たい人は自由に見てね」くらいの感覚


──YouTubeでは夫婦喧嘩や離婚危機など、ADHD以外のこともかなり赤裸々に発信していますけど、そこへの抵抗はなかったのですか?

ちゃんまり 意外となかったですね。逆に出すことは出すけど、「こんなの需要あるのかな?」という感覚でした。

ダイスケ 僕は抵抗なんて1ミリもなかったです! 深~く考えると抵抗みたいなものが見つかるかもしれないですけど、いずれにしても自分たちの姿を見せて生きていこうと決心したので。そこに必要ないことは考えないようにしているのだと思います。

ちゃんまり 最初はおしゃれな感じのものを発信していましたけど、そういうものより人間くさいもの、私たち夫婦の人となりを視聴者の皆さんは見たいのではないかと考えるようになりました。あとは、自分たちの記録をちゃんと残しておきたいと思って。最近はその意味合いが強くなってきた気がします。

──やはり、視聴者の良い反応を見ていると、もっと続けようという気になるのでしょうか?

ダイスケ それよりも、やりたいことがあるうちはやり続けようという考えですね。やりたいことを映像としてそこに置いておくから、見たい人は自由に見てね、くらいの感覚です。だから、お金を稼げようが稼げまいがやり続けると思います。狙ってやっているわけではないので、正直、どこに需要があるのかいまだにわからないですね。YouTubeでは沖縄の風景やバイク、旅行のことも発信していて、一貫性がないようにも見えますが、どれも自分の中の「好き」という共通点があります。夫婦生活を発信しているのもその延長だと思います。とにかく、僕はちゃんまりのことがとても好きなので。

 



「自分には無理!」と開き直ってもいい


──配偶者を「とても好き」と堂々と言えるのは素晴らしいですね。YouTubeや本書を目にした方は、その言葉がダイスケさんの本心であることがよくわかると思います。ところで、本書を読んでどのように感じてほしいですか? もしくはどのように活用してほしいですか?

ダイスケ とても難しい質問ですね。おそらく、自分の中にはその具体的なイメージがないんだと思います。どう感じるかは人それぞれ、自由じゃないですか。それぞれの解釈で、自分の人生に当てはめて、活用できそうならやってもらえればいいかなと思います。

ちゃんまり 発達障害のパートナーのいる方がこの本を読んだとしても、正直、役に立つかどうかはわからないと思います。私たちがたまたまこのやり方でうまくいっているだけかもしれませんし。ですから、この本を読んで「私もこうしなきゃいけない」「できない私が悪いんだ」と自分を追い詰めるのではなく、「自分には無理!」と開き直ってもいいと思います。あくまでも一つの事例としてこの本を捉えてほしいですね。