「迷走神経」って何?どのにあるの?働きは?「迷走神経刺激」は何に効くのか?


山田:迷走神経は非常に長い神経です。脳から出て、胃や腸にまで届く長さです。この迷走神経が働いている時は、基本的に体はお休みをする、と考えていただければと思います。

碓氷:なるほど。

山田:では次に、「迷走神経刺激」について説明しますね。先ほど、人間の体は、アクセルとブレーキを自動で切り替えている、とお話ししました。一方で、迷走神経刺激というのは、体が自動で切り替えているものを、「外側から押す」という発想です。

迷走神経刺激が必要となる病気はいくつかあります。たとえば、てんかんです。てんかんという病気は、脳の活動が活発になり、体中が痙攣してしまう病気で、薬でもなかなか止められないことがあります。
そんな時に、医学的な治療として、この迷走神経刺激が有効だと知られているのです。

また、精神的な病気にも迷走神経刺激が有効なのでは?ということで、研究が行われています。「外側からブレーキを踏む」という発想をうまく活用し、なかなか治りにくい病気の治療に使われているのです。
特に、うつ病を治すために迷走神経刺激が役立つのではないか、ということで注目を集めているようです。

 

碓氷:なるほど。迷走神経刺激を必要とする病気もあるのですね。

山田:そうですね。

碓氷:迷走神経って、言葉がキャッチーですよね。

山田:そうですね。キャッチーな言葉なため、色々な記事が書かれているようですね。そうした記事の中に、迷走神経刺激の方法として、「氷水に顔をつける」、と書かれているものがありました。この程度であれば、多くの方には問題がないと思います。ですが、迷走神経刺激には気をつけていただきたいこともあるのです。