一般的な家庭で育ったのだとしても、大人になってから、ふと子供の頃に母親から傷つけられた出来事を思い出すことはありませんか? 「なぜ、あのとき、あんなことをされたのだろう?」みたいな。
大人になっても残っている子供の頃の「心の傷」とどう向き合うのがいいのでしょうか。

ただし、今回の話は、幼児虐待やネグレクトなど重度なものや、その後の人生が大きく変わってしまうほどのトラウマができている場合は除きます。その場合は、専門家によるアドバイスに従ったほうがいいでしょう。


大人になっても残っている「心の傷」

 

子供の頃に付けられた心の傷に、大人になった現在も影響を受けてしまっている人は、意外といます。

私自身は、そこまで心の傷はないと思っていたのですが、突然、ある出来事を思い出しました。
・どうして子供の頃、ピアノを弾き間違えたくらいで、母親から手を叩かれたのだろう?
・がんばって勉強した試験がうまくいかなくて落ち込んでいたときに、なぜ、母親はなぐさめるどころか、うまくできなかった私を責めたのだろう?
とか。

些細なことではあるのですが、ふと記憶がよぎるということは、「心の奥底には消化できずに、ずっと残っていた」ということなんですよね。
それにより、大人の今でもなにかしらの悪影響を受けていることはあるかもしれません。

悪影響にしないためにも、その感情をむしろ「なかったこと」にしないことが大事。きちんと受け止め、その頃の幼き自分を抱きしめるように、今の自分を抱きしめ、「大変だったね。辛かったね。がんばったね。でも、もう大丈夫だよ」と言ってあげることが大切なのかもしれません。
そうしたら、“当時の(子供だった)自分”が報われ、“今の自分”が楽になれるところはあるでしょう。

 


大人は「子供を分かっていない」ところも!


大人は、「子供だから分からないだろう」なんて思って、理不尽なことをしがち。でも、意外と子供は色々なことを見ているし、分かっているし、当時の理不尽さをずっと覚えているものなんですよね。

ただ、そのとき「親のほうが間違っている」と認識できれば楽なのですが、「親は正しいものなんだ」「言うことを聞かないといけないものなんだ」と教育されているから、「私がなにか悪いことをしたのだろうか?」と心が混乱してしまい、傷ついてしまうところがあるのです。

もしお子さんのいるお母さんは、自分が今の歳になっても思い出すのと同じように、子供が40代になっても思い出すことを想像すれば、気をつけたほうがいいと思えるでしょう。

ただ、私自身は、そんな理不尽な出来事を思い出したからといって、未だに母親を許さない、というわけではありません。
それについては、次のページで紹介します。

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【漫画】悪い出来事は、されたほうだけが覚えていることも
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