「セックスは必ず挿入するもの」というルールはない

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まず、ここで言いたいのは“セックスする・しない”は個人の自由であり、「するのが当たり前」とか「してるからすごい」、「しないのはおかしい」とか「したことがないのは恥ずかしい」なんて、決してないってこと。また、夫婦や恋人間であっても“セックスなし”の関係で十分幸せで、お互いが納得できているならば、それでいいのです。

では、人はなぜセックスをするのでしょう。その問いに、私なりの答えを出すとするならば、それはコミュニケーションであり、愛情確認のためだと思います。そしてコミュニケーションや愛情確認の手段なんて、セックス以外にもたくさんあるんやから、手をつなぐ、キスをする、言葉で愛を伝え合う……など、スキンシップや愛情の形は人それぞれ、カップルごとに違っていていいのです。それに「セックスは必ず挿入するもの」というルールもありません。裸で抱き合ったり、気持ちいいところを触り合うだけでも、お互いが納得しているのなら十分なんです。

あなたは、どんなときに愛を感じますか? あなたの彼は、どんなときに幸せそうにするでしょう。そんなことから、おのずと答えは見えてくるはずですよ。

 

医師紹介
宋 美玄(そん・みひょん)さん

産婦人科専門医・医学博士・FMF認定超音波医。1976年、兵庫県神戸市生まれ。大阪大学医学部医学科卒業後、大阪大学医学部附属病院、りんくう総合医療センターなどを経て川崎医科大学講師就任。2009年、ロンドンのThe Fetal Medicine Foundationへ留学。胎児超音波の研鑽を積み、2015年、川崎医科大学医学研究科博士課程卒業。2017年、東京・丸の内に「丸の内の森レディースクリニック」を開業。女性医療の現場に従事する傍ら、テレビ、インターネット、雑誌、書籍などで情報発信を行う。100万部突破のベストセラー『女医が教える 本当に気持ちのいいセックス』シリーズ(ブックマン社)ほか著書多数。婦人科医の視点での社会問題の解決や、ヘルスリテラシーの向上にも取り組んでいる。
 

『女医が教える オトナの性教育 今さら聞けない セックス・生理・これからのこと』
著者:宋 美玄 学研プラス 1540円(税込)

生理や性器の悩みに、パートナーとのセックス事情……。女性には、女子会でしか言えないようなカラダの悩みが盛りだくさん。セルフプレジャーや性病の話、セックスの相性や、挿入でイケない私はおかしい? など、知りたかったけれど人にはなかなか聞けないアレコレについて、宋先生がやさしく解説します。自分のカラダを自分で守り、豊かなパートナーシップを築くための正しい知識を、マンガと共に楽しく身につけられる一冊。



マンガ/にくまん子
構成/金澤英恵