毛と眼差しの関係は、意外な展開も見せています。最近日本でも増えている男性の脱毛は、経済力の指標でもあるらしいのです。

先日、ある若い女性向け雑誌で組まれていた婚活特集では、いろんなタイプの男性がイラスト化されていました。最も金回りの良さそうな外資系金融勤務・港区界隈に生息するタイプの男性の特徴には「脱毛済みのこと多し」とありました。脱毛にはそれなりにお金がかかりますから、婚活中の女性にとっては、無毛面積の大きさが男性の可処分所得を示す指標になっているのでしょうか……。

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という話をしたら知人が「そういえば外資系に転職した弟は、早速ヒゲのレーザー脱毛をしました!」と裏付け発言を。それはともかく、毎日の髭剃りはかなりめんどくさそうだし肌荒れしそうだから、いっそ脱毛しちゃえというのもわかる気がします。
男性であれ女性であれ、体毛処理にお金と手間をかけるのは、自身の心地よさだけでなく他者の眼差しを意識してのことでしょう。それは自身もそのような目を他人の体に向けていることの表れでもあります。体毛監視社会なんて、なんだか息苦しい。せめて人さまの毛には寛大でありたいものです。