おっぱいをぎゅっと挟んで、伸ばす、あの検査。
ミモレ世代の女性なら、多くの人が経験したことがあるであろう「マンモグラフィ」は、乳がん検診の代表格です。
乳がんは早期発見早期治療が可能ながん。でも、マンモグラフィのあまりの痛さに、ついつい敬遠してしてちまいがち……という人も少なくありません。

10月はピンクリボン月間、乳がんについて正しく知るための啓蒙月間です。
そこで、少しでもあの憂うつさを振り払って検診にのぞむべく、乳がん検診についての素朴な疑問を専門家にぶつけてみました!

 

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マンモは痛いから嫌い!?  少しでも痛くなくなる方法は?


教えてくれた人

松浦由佳(まつうら・ゆか)さん
診療放射線技師、博士(生命医科学)
検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師、X線CT認定技師として数多くの病院で活躍するマンモグラフィのプロフェッショナル。一般社団法人美人化計画理事、東京都立大学非常勤講師、早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所招聘研究員などとして、医療専門家の言葉を一般の人にわかりやすく伝える活動をおこなっている。

 


――マンモは正直、痛いから嫌という女性が多いと思います。検診の後に、マンモネタで盛り上がったことも1度や2度ではないくらい、インパクトのある検診ですよね。でも、過去に「今回それほど痛くなかった!」とアタリの検診の時がありました。あれなら、今後も受けられるかもと思ったのですが、ズバリ、上手な技師さんの見分け方ってありますか?

医療従事者からみた「上手な技師」は「キレイな写真を撮る人」。痛いとうまくないと思われがちですが、正しく診断できる画像を撮ろうとするとある程度の圧迫は必要です。

いくら痛くなくても、キレイな写真が撮れていないと意味がない。痛くて写真も下手だとお話になりませんが。業界団体が認定している「検診マンモグラフィ撮影認定診療放射線技師」という制度があるのですが、ホームページには認定技師の名前と所属病院を掲出しています。それで探してみるもの良いですし、前に撮影してもらって「相性がいい」と思った技師がいたら指名してリピートするのがいいと思います。

――痛くないからいい技師さんっていうわけではないんですね……。どうせ受けるなら、ちゃんと乳がんを発見してほしいので、ある程度の圧迫とガマンが必要なことはわかりました。でも、なぜマンモではあんなに胸を引っ張る必要があるのでしょうか? 乳房も、脇も、とにかく痛い!

理由は、限られた画像の中に、撮りたい場所が入っていないとダメだから。よく「胸が小さいから引っ張られるんですか?」と質問される方がいますが、胸の大きさは全く関係ありません!

力が入ると痛みは増すので、リラックスすることも大切です。肺のレントゲンとは違い、呼吸は全く関係ありませんが、息を吐くときは誰しも力が抜けるので、息を吐きながら臨んでみてください。

また、背中を反るのではなく背中を丸めると、撮りたい部分が画像の中に入りやすくなるので、次の検診で試す価値はアリ◎です。
 

――医療技術も、医療機器も進化していますが、痛くないマンモグラフィの機械は生まれないのでしょうか? 痛くないマンモができたら、大発明だと思うのですが。

実は、メーカー各社も痛みの少ないものを開発しているんです。が、「痛さ10」が1や2下がったところで、私たちが求めている「痛さ0」には程遠いのが現状……。売り手の「痛くない」と買い手の「痛くない」の乖離が大きいため、残念ながらあまり実感できません。

マンモグラフィの原理が変わらない限り、大きな変化は期待できませんが、中には乳房を手で持っただけで「痛い」という方もいるので、「マンモ=痛い」という刷り込みが影響して痛みが増していることもあるようです。
 

――たしかに。あの機械の前に立つだけで、その後の痛みを想像できてしまいます……。マンモではなく、エコーも選択できますよね? エコーなら痛みがないので、そちらを選びたい、というか、実はエコーを選ぶことが多いのですが、なぜ「マンモグラフィを受けよう」と言われているのですか? エコーではダメなのでしょうか?

40代以降はマンモを2年に1回は受けてほしいです。というのも、前回の記事でもお伝えしましたが、マンモは病変が白く、エコーは黒く写ります。30代までは乳腺が発達しているため乳房全体が白っぽく写るので、マンモだと病変が見えにくいこともあるのです。40代以降は「黒い乳房の中に病変が白く写る」マンモの方が向いています。


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10月はピンクリボン月間。正しい知識で自分を守ろう!
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