健康診断で体脂肪率の計測がない理由【医師の解説】


その理由の一つは、健康診断で計測される身長と体重、そしてそこから導き出されるBMIとウエストの値で、多くの場合、病気のリスクは十分に予測できると考えられているからです。

もう一つは、広く用いられている機器による体脂肪測定の値が十分正確とは言えない部分があるからです。

たしかに、内臓脂肪の量が、心筋梗塞などの心臓の病気や、腎臓の病気と強く関連することは知られています。ただ、必ずしも因果関係を示すものではありません。

 

また、CT装置を使用することで、内臓脂肪の量をより正確に測定するという方法もあります。しかし、わざわざ放射線をあて画像診断せずとも、身長・体重・ウエストの値で、その方の内臓脂肪の量との相関、心臓・血管の病気の(関連トル)リスクというのは、十分予測できると考えられています。

あくまで一般論にはなりますが、ジムに設置されているような機械を使ったり、正確なCT検査によって放射線をあて体脂肪率を計測することの意義は、乏しいと考えられているのです。

ですが、体脂肪率の値が役に立つ場合もあります。