鈴木のプライド、竈門の憂鬱

 

筆者の親友が、彼氏と1週間で同棲を解消したというので理由を聞いてみました。すると、ある彼の一言に引っかかったことが原因だとか。交際が順調だった彼とは結婚の話がまとまりそうだったのですが、ある時彼は、

「俺の名字にしてよ。俺にもやっぱりプライドがあるからさ」

と言い放ったそうです。

プライドって何ぞ?!

男性が女性側の名字にするのはプライドが許さない、ということらしいのですが、その価値観、謎すぎます。さらにその彼氏は、全国で多い名字ランキングトップ3に入るような、超平凡な名字なのです。

 

仮に「鈴木さん」としましょう。一方、友人は全国に数世帯しかいない激レアな名字。地元ではもちろん、友人の家族しかその名字の人はいませんでしたし、筆者のこれまでの人生で友人以外一度も遭遇したことがありません。友人は名前を聞かれるたび、「珍しい!」「かっこいいね」と言われるそうです。

仮にその友人の名字を「竈門(かまど)さん」としましょう。字面的には、
鈴木 VS 竈門、なわけです。
どう考えてもそこは竈門にするでしょ!

もちろん名字に優劣はありません。愛着ゆえに名字を変えたくない気持ちもわかります。でも、それは女性だって同じ。男のプライドという“ふわっ”とした理由で名字を変えろ、なんて言われたら困惑するのも当然です。

夫婦別姓が実現していない日本では、どちらかの姓にするしかありません。でも、「女性が変えて当たり前」という前提はもう時代遅れなのです。当然のように「名字変えるよね?」ではなく、まずは「どっちにしよっか?」という話し合いから始まってほしいな、と思います。