「僕は差別しないよ」だけじゃなく、そろそろ一緒にアクションしませんか


最近は「僕は上の世代と違って女性差別なんかしないよ」という男性が増えました。私の周りにもたくさんいます。でも、彼らはジェンダー格差や性差別の解消のために、何か行動しているでしょうか。いつも声を上げてアクションするのは女性です。それを見て「僕は差別しないよ」というだけの男性たちに、もうそろそろ言いませんか。あなたは意思表示をしないの? と。

 

古い体質のメディア業界でも、主要な放送局の若手男性社員が「育児との両立を可能にする制度を」と自分ごととして声を上げるようになったと聞きました。
これは希望が持てる、心強い動きです。声を上げた男性たちは、育児と仕事を両立することができないのは、24時間滅私奉公の“男らしさ”を押し付ける働かせ方が常態化しているからだと気づいているでしょう。その価値観こそ、女性の同僚や妻をずっと苦しめてきたものだと知ってほしい。同じ構造の中で生きてきたのに、なぜこれまでは女性の苦しみが他人事だったのか、ぜひ考えてほしいのです。いま実感している男性の生きづらさは、女性が遥か昔から味わってきた苦しみと同根です。女性たちが孤独に闘ってきたことを知って、連帯してほしい。

写真:shutterstock

女性は人類の半分を占めています。人口の半分に対する差別を放置しても平気な権力者は、もう半分のことも尊ぶべき人とは思っていません。好きなようにできる資源だと思っているでしょう。その最も顕著な表れが戦争です。戦地に行かずに済むのは、ごく一部の意志決定層だけ。構造的な差別を放っておいてはいけないのは、人は権力者の所有物ではないからです。ヨーロッパでもアジアでも不穏な空気が濃くなっている今は、これが大袈裟な話ではないとわかるでしょう。

なぜ若い男には出番がないのか。なぜ若くなくなった女性は軽んじられるのか。私たちは誰に分断されているのか。視線を横ではなく上に向ければ、生きづらさの原因が見えるはずです。
 

 


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