「暖かくして来てね」と言われた通り、ロングコートを着ていきました。マックスマーラの代名詞でもあるキャメルのコートです。ホワイト寄りの、明るいキャメルカラー。コートを脱ぐと、黒いニットと、黒いパンツ。寒いのは避けたいし、ご近所の延長気分ということもあって真冬の定番、ユニクロのボアスウェット! ちなみにニットはマディソンブルーのものです。
実はこのコート、なんとガレージセールでゲットしたものなんです。
そのガレージセールは、親友の実家で毎年行われているのですが、それぞれの売り上げの30%をいくつかの団体に寄付するという活動です。彼女のママの仲間同士から始まり、もう40回ほど続いているというのが素晴らしい。そして去年、親友が次なる担い手としてのバトンを引き継ぎました。
ちょうど値札付けのお手伝いをしている時に、「あれ? なんだか素敵な子がいる」と見つけたのがこのコート。誰かのクローゼットで長らく眠っていた様子でしたが、試着したらまさにジャストサイズ! 「私がこれから愛を持って大切に着ます」とそのままお支払いして家に持って帰りました。
ハイクラスのクリーニングに出したら、ふっくら、ツヤツヤ! かつての輝き……とまではいかないかもしれませんが、とっても美しいコートに仕上がりました。
「誰かにとってはもう役に立たないものが、別の誰かの元でまた新たなる活躍の場を得られるなんて、ガレージセールって、幸せで、とっても豊かなサイクルだよね!」と、私の親友の一言。本当に、本当に、その通り!
実際、私の洋服の数々も別の友達が大喜びしながら選んでくれていました。きっと彼女の毎日に寄り添っているのだと思うと、私自身もうれしいし、そしてありがたい気持ちになるものなのです。
ランチをいただきながら、由布子さんに新しいレストランの完成までのいろんなお話を伺っていたら、ほんのりと重なるものを感じました。大きな建造物と一枚のコートではスケールは全く異なりますが、そのハートの部分、根っこの部分は同じようなことかもしれないな、と。
長らく使われず活用されていないものも、それが欲しいと思った別の人の元に渡り、息吹を吹き込んでもらえたら、全く新しいワクワクするものに変わることができるということです。
そんなふうに新たに生まれ変わった場所、もの、それらもきっと喜んでいる気がするのです。手をかけた分だけの人の喜びやもっと良くしようという気持ちが愛となって宿るのか、そこにはどこか幸せが感じられる気がします。
この日のように、レストランで過ごした時のワクワクする気持ち、このコートを着るとちょっとうれしくなる気持ちは、新たなる役割を任された建物や洋服の喜んでる気持ちでもあるのかな、と。
新たにお気に入りとなったコートを着ながら、ふとそんなことを考えた昼下がりでした。
そして、以前私が着ていたマックスマーラのコートは、今は娘のもとに。アルパカのフカフカのコートはマキシ丈で私が着るより、娘のほうが断然可愛かったから! 娘もそのコートをとっても気に入り、毎日のように喜んで着て出かけています。また新たなサイクルが、ここにもありました。笑
引き続き、各地で寒い日が続くようですね。
皆さんも、どうぞご自愛くださいませ。
それではまた2週間後に。
Good day!!
松井陽子
Yoko Matsui
Instagram: yoko_matsui_0628
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