【ステップ②】今の問題が解決した未来をイメージする

写真:Shutterstock

現状を好転させるには、視点を未来に移すことがとても有効です。かのゲーテは、「どこに行こうとしているのかわからないのに、決して遠くまで行けるものではない」と言いました。自分がどうなりたいのかわからなくては、現状を変えることなどできません。自分を奮い立たせてくれるのは、未来への希望なのです。

 

とはいえ、自分がどうしたいのかだけを考え、それを相手に押し付けるのは自分勝手というもの。相手の言い分を聴けば、相手がどうしたいのか、何を望んでいるのかを把握することができます。そのうえで、お互いにとってハッピーな未来とはどんなものかを考えていきます。

例えば、締め切りを守ってくれない人がいて困っているとします。相手の言い分を聴いたところ、「締め切りを守るよりも、クオリティの高いものを仕上げることのほうが大切だと思っている」という思考があることがわかったとしましょう。

その思考を大切にしながらも、締め切りを守ってほしいという自分の要求を実現するために、その人と自分の未来におけるやりとりがどのようなものになったらいいのか、未来の理想像を考えるのです。

相手はクオリティを大事にしている。でも自分は締め切りを守ってほしい。両者の思いが満たされる状況になれば、お互いにとって心地いい未来になりますね。この場合の理想像は、「相手が納得したクオリティのものを締め切りまでに仕上げてもらう」になるかと思います。

一見両立しないように見えるこの二つですが、未来の姿が具体的に見えると、自分の中にも安心感が生まれ、冷静に考える余裕も出てきます。さらに、【ステップ③】で自分の提案を伝えることで相手との対話が生まれ、そこで解決策が生まれることもあるでしょう。

イライラや不安、気分の落ち込みなどは、未来のビジョンが見えることで落ち着きます。モチベーションも高まり、行動を起こす気力も湧いてきます。