日本では、100人に約6人が生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果があり、在宅で介護を行っている方の4人に1人が軽いうつ状態にあるという結果も報告されています。介護歴半年になる仁美さんは、同じく親の介護をしている友人から「実はうつだった」と告白され、ご自身の行く末が不安になってきたと言います。話を聞いてみましょう。

 


1人で抱え込んで介護うつになってしまった友人


学生時代の友人・和歌子は、数年前から母親と同居し、在宅で介護を行っていました。介護が始まった当初はストレス発散と称してよくランチにも行っていましたが、ここ数年はコロナのこともあって音沙汰がなくなっていたのです。

私も半年ほど前から父の介護が始まり、和歌子にいろいろと聞きたいことが出てきたので久しぶりに連絡してみたところ、なかなかLINEが既読になりません。数週間してようやく連絡が取れたので会ってみると、「実は最初に連絡をもらった時、うつっぽくなっていたの」と言われました。彼女には妹がいますが、海外暮らしのため頼れず、1人で抱え込んでしまったようです。

育ててくれた親のためにと介護に没頭するうちに、気づけば趣味のヨガや料理教室へ行くのも諦め、私たちからの誘いも断っていたという和歌子。本来アクティブな性格ですが、外出するのも億劫になり、何に対してもやる気が起きなかったそうです。

そんな話を聞いていたら、明日は我が身と不安になってきました。私は82歳になる父が脳梗塞で倒れたのを機に、実家に帰って介護をしています。幸い脳梗塞の後遺症はなく、命に別状はありませんでしたが、数ヶ月経った頃から変化が見られるようになりました。朝は元気に会話をしていたのに夕方には言葉が出てこなくなったり、旧友のことを忘れたかと思えば数日後に思い出したりと、記憶がまばらのような症状が出てきたのです。

検査の結果、男性に多い脳血管性認知症と診断されました。脳血管にダメージを受けるごとに階段状に進行するのが特徴だそうで、感情のコントロールができなくなり、次第に24時間の見守りが必要な状況になっていったのです。80歳の母はまだ介護は必要ありませんが、高齢ということもあって無理はさせられません。

まさに今、「私が頑張らなきゃ」と奮闘している最中で、自分のことはすべて後回しになっています。親が大変なのに自分だけ楽しむのは気が引けるので、唯一の楽しみとも言うべき推し活も控えている状態です。もはやどうすべきか分からなくなっているので、アドバイスをいただけますか?
 

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