誰の人生にも「物語」があります。


人は、成仏できない物語があると辛い気持ちになり、前向きな物語を描けないと落ち込んだりモヤモヤしたりします。


この連載では、心理学者でキャリアコンサルティング技能士の杉山崇先生が、「物語」という名のライフキャリアを整える方法を皆さんにお伝えしていきます。

「やる気が出ない」は物語の手がかり!?「やる気」は出してもいいし、出さなくてもいいのです。_img0
 

突然ですが、「“やる気”はあっても、なくても良いんです!!」なんて言われたらどう思いますか?

ちょっと奇妙に思われるかもしれません。だって、一般的には「やる気があることは良いことだ!!」と思われることが多いからです。

 

やる気に満ちていることも良いことですが……


もちろん、何事にも積極的でやる気に満ちていることは良いことの一つです。
やる気は心の内側から湧いてくるエネルギーです。心のエネルギーが充実していれば、行動も充実するもの。
行動が充実すれば、その成果も多くの場合で充実します。

行動すればもちろん疲れるわけですが、こういう疲れは充実感に満ちていることが多いものです。
そう、やる気があると、それはそれで幸せであることは間違いないです。
 

やる気をめぐる経験の数々


ですが、どうでしょうか、私たちは子どもの頃からやる気をめぐって窘められたり、叱られたりもしていませんか?
たとえば、「もっとやる気を出しなさい!!」、または「本当にやる気があるの?!」といった具合に。

中にはどう行動したら良いか考えているだけで、このように咎められる場合もあります。
本当はやる気に満ちている時に、こう対応されると理不尽に感じてしまいますよね。
忸怩たる思いを募らせたこともあるかもしれません。
このような経験があると、やる気について考えるのが嫌になってしまう方もいるかも知れません。

そもそも、「やる気を出しなさい!!」という指導はやる気の本質を考えると必ずしも良いものとは言えません。
やる気は意識的に「出すもの」ではなく、もっと心の奥底から「出てくるもの」だからです。
 

やる気の本質を、ルーク・スカイウォーカーから考えよう!!


このことを考えるために、ちょっとだけ映画『スター・ウォーズ』の話をさせてください。
『スター・ウォーズ』に興味が無い方には申し訳ないのです。ですが、おそらく、みなさん、スター・ウォーズ、名前くらいはご存知ですよね。

え、どのスター・ウォーズかって? そうですよね、失礼しました。
スター・ウォーズはたくさんのエピソードがあって、たくさんの主人公がいるので、これだけではわかりませんよね。

今、私が挙げているのは、1970年代に公開された、後にエピソード4と呼ばれる物語です。当時は大センセーションを巻き起こしました。
主人公は、当時は甘いマスクで注目されたマーク・ハミル演じるルーク・スカイウォーカーです。ダース・ベイダーに家族を殺され、そしてダース・ベイダーに囚われるレイア姫からの助けを求めるメッセージに触れ……その中でダース・ベイダーと戦うという「やる気」を持ちます。

そして、スター・ウォーズではこのルーク・スカイウォーカーのやる気を中心に物語が展開します。主人公のやる気にオビワン・ケノービが協力して……という形で物語はクライマックスを迎えます。そうです、「やる気」とは物語の中核にあるものなのです。

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【漫画】ワニさんと先生の「人生の物語を整えよう」
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