特に地域社会においては、昔から続けている行事などが存在しており、その行事を通じてコミュニティでのインフラが維持されているケースもあります。これは地域によって様々であり、お祭りなど分かりやすいイベントだけとは限らず、周辺の清掃や草むしりなど、日常業務のようになっているものもあります。

新しく来た人には無意味に思えることでも、当事者にはそれなりに必要性があったりしますから、外から来た人が一概にその是非を判断するのは難しいかもしれません。

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また、過疎化の進行や予算不足の深刻化によって、政治的な支援が地域のコミュニティ維持に重要な役割を果たしているところも少なくありません。このような地域の場合、党派的な対立が発生していることもあり、政治に対して全く無関心な状態で移住してしまうと困惑することでしょう。

 

移住にせよ、転職にせよ、新しいコミュニティへの参加を検討する時には、何度かそのコミュニティを事前に訪れ、十分に内情を理解をしてから決断することが重要であることは言うまでもありません。

あくまでも一般論ですが、移住する人の性格も状況を左右します。

人と関わるのが大好きな人や、積極的に相手との関係を構築できるタイプの人は、どのコミュニティに行っても最終的にはうまくやれる可能性が高いと思います。一方、自分が望むような人間関係が構築できないと不満に感じるタイプの人は移住に向きません。

単純に、都会暮らしが嫌になった、職場の環境が良くないなど、今、所属しているコミュニティに対する漠然とした不満だけで移住を決断してしまうと、うまく地域に溶け込めないケースが多くなるようです。

移住というのは、自身のライフスタイルそのものを変えるという話ですから、簡単な決断ではありません。

漠然と他の地域に行きたいと考えるよりも、まずは自分自身がどのような生活を送りたいのか、ゼロベースで問い直してみることが重要でしょう。熟慮を重ねた上で、どうしても移住が必要であれば、その時から本格的に検討しても遅くはないと思います。

 

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