尊厳死や臓器提供の問題は、自分の意思が大切ですが家族の心にも配慮が必要です

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尊厳死とは、回復の見込みがない病気で自身に死が迫っている場合、延命措置をしない、もしくは中止して、自然に死に臨むことです。尊厳死を希望する場合は、「日本尊厳死協会」に入会するか、「尊厳死宣言公正証書」を作成することが必要になります。

 

無益な延命を拒否し、人間らしい死に方を望むのは人間の権利ですから、何よりも自分の意思が大切です。ただ、その選択を唐突に知らされた場合、家族がショックを受けることも考えられます。ノートへの記入だけではなく、家族やかかりつけの医師には、あらかじめ知らせるようにしましょう。

エンディングノートには、法的な効力はありません。臓器移植を望むなら、意思表示カードや健康保険証、免許証への記入をするか、インターネットで意思登録を行ったうえで、家族の同意も必要です。それらの過程を踏んだあとで、ノートに記入しましょう。

とくに献体は、医学の発展に貢献する尊い行為ですが、遺骨が戻るのは数年先になります。家族の心のケアを忘れずにしましょう。

自ら決めた葬式やお墓の情報

現代では、葬式のスタイルや入るお墓についても、自分で選べるようになりました。家族と相談したうえで決め、ノートに書き込みます。

☑️【 生前葬・生前予約 】
遺族の負担を減らすため、生前葬や葬儀の生前予約が増えています。とくに生前予約は、本人が葬式のスタイルや予算を決め、契約を交わすだけという手軽さ。ノートには、葬式の内容と契約書を保管した場所を記載しておきます。

☑️【 墓の引き継ぎについて 】
すでにお墓がある場合、墓地の所在地や連絡先を記入します。新しく購入するときは、希望する墓地の連絡先や場所、費用についての必要事項を。永代供養の場合も同じですが、はじめからの合祀を拒否するなら、その旨をつけ加えます。