最期を見つめるといますべきことが分かる

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気持ちを整理し、家族や大切な人の負担を減らす「終活」は、不安を希望に変えて生きるための活動です。人生の最期と向き合うのは、決して悲しいことではありません。むしろいま何をすべきかが、はっきり見えてきます。

たとえば、大切な人に囲まれた家族葬を思い描いたら、交友関係をむやみに広げるのではなく、いまある絆を深めようと思うでしょう。エンディングノートをつけた結果、やり残したことに気づいて、奮起する場合もあります。これからどう生きたいか考えることで、漠然とした死への不安が和らぎ、毎日がより充実するはずです。

現状を整理し、どういうふうに人生を終わらせたいかはっきりさせることは、家族など大切な人たちの負担を軽くすることにもつながります。

介護の資金について、任意後見人はだれか、財産分与はどうするか、延命措置についての希望、葬式の形式⋯⋯。数々の難題に対して、当事者の意思をはっきり明示しておきましょう。

残された時間を、家族や友人たちと和やかに過ごしたい。そのためにも、人生の幕引きの準備は、少し早めに始めましょう。

 

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著者プロフィール
岩下 宣子(いわした・のりこ)さん

NPOマナー教育サポート協会理事長。現代礼法研究所主宰。共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立、主宰となる。マナーデザイナーとして、多数の企業や団体でマナー講座、指導、研修、講演などを行う。『図解 日本人なら知っておきたいしきたり大全』(講談社)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)、『12歳までに身につけたい ルール・マナーの超きほん』(朝日新聞出版)など監修・著書多数。


構成/大槻由実子