子宮頸がん検査で見落とされていた……!?


私が最後に子宮頸がん検診を受けたのは、2年前。それまでは毎年受けていましたが(異常を指摘されたことは一度もありません)、1年前は子宮頸がん検診をサボってしまい、経膣エコーのみ受診していました。

子宮頸がん検診は2年に1度の定期的な受診が推奨されています。そうはいっても、1年前もきちんと受けるべきだった。昨年検診をサボったことは本気で後悔しましたが、一昨年までは受けていたのだから、まさかそこまで大ごとにはならないと信じていました。

子宮頸がんというのは通常何年もかけてゆっくりと進行するものだから、定期的な検診を受けていれば、がん化する前の段階で発見できると聞いていたからです。

ところが私の場合は、子宮頸がんの中でも「腺がん」という種類で、この「腺がん」というものがどうやら、早期発見が難しいと言われているようなのです。

 

子宮頸がんには種類があり、大半は「扁平上皮(へんぺいじょうひ)がん」という種類ですが、約2割が「腺がん」という組織型だそうです。子宮頸がんというと通常、子宮の入口にできるものだと認識していました。ところが私のような腺がんの場合、それよりも奥の位置にできることが多いのだとか。そのため、一般的な子宮頸がん検診(細胞診)では見落とされる傾向が高いということを、この時初めて知りました。

※子宮の入り口(外子宮口)の周囲の表面は扁平上皮という細胞で覆われており、そこから子宮内に入り込んだ子宮頚管の内部は円柱上皮細胞(腺細胞)で覆われています。子宮頚がんはそれらの細胞から発生し、扁平上皮がんと腺がんに分けられます。発生頻度としては、扁平上皮がんが8割程度、腺がんが2割程度を占めます。腺がんは、子宮頚部の奥から発生する事があるため子宮頚がんに比べ検診で見落とされやすい事が知られています。

私の場合も、過去の検査で見落とされた可能性があると先生から言われました。しかし同時に、腺がんは進行が早いという特徴もあるため、ここ1年くらいで急速に進行した可能性も否定できないと。

いずれにせよ、「子宮頸がんは検査さえ受けていれば大丈夫」という安易な考えが、そもそも間違っていたのだということを思い知らされました。

検査を受けていてもがんを見つけられないケースがあり、私のように異変に気づいてから病院に行ったらすでにがんの進行は始まっていて、子宮全摘というパターンは決して珍しくないようです。

実はがんがわかってからブログを開設し、ブログ上では同じ病気の方との繋がりもできました。中には、半年前の子宮頸がん検診では異常なしだったのに、がんが見つかったという方までいて、本当に驚かされます。ちなみにその方も、私と同じ子宮頸部腺がんでした。

どこも痛くないのに、子宮や卵巣を取らなくちゃいけないなんて

 

親しい友達にはすぐに病気のことを伝えたのですが、心配してくれた友人から何度か「体は辛くないの? どこか痛いところはある?」と尋ねられました。

でも、びっくりするくらいどこも痛くないんです。

不正出血やおりものはあるものの、痛みや辛さなどの自覚症状は全くなくとても元気。だから、いきなり子宮や卵巣を取り除くと言われても、にわかには信じられません。こんなに元気なのに、どうして……。

もしも時間を巻き戻せるのなら、私は過去の自分に言ってあげたいです。子宮頸がん検査は絶対に毎年受けること。そして検査を受けていれば大丈夫と信じるのではなく、不正出血、おりものの増加、性交時出血など、何か異変があったらすぐに婦人科で診てもらうこと。

婦人科に行くのに抵抗があるという人も多いですよね。でも風邪をひいたらすぐ内科に行くように、婦人科にも、どんなわずかなことでも気になったらすぐに足を運んで診てもらう、という習慣が広まればいいのにな。今になって、心の底からそう思います。

 

不健康な生活からの卒業

 

私はがんになって、自分の生活を見直すことに決めました。

仕事のせいにしてはいけませんが、ライターという職業上、締め切りに追われて深夜まで作業することが非常に多いです。また、明るい時間帯よりも夜の方が圧倒的に筆が乗る。ノリノリになって原稿を書いていたら気づいたらAM4:00……なんてことも、珍しくありませんでした。

しかし睡眠は健康のために必要不可欠です。まずはこの夜型生活からの卒業を決意しました。

それから、食生活の改善です。食べ物でがんは治せないとしても、食生活を改めることで病気が進行しにくい丈夫な体を作り、免疫力も高めたいと思ったからです。

それまでの私は、主食はサムギョプサルです! と言っても決してオーバーではないくらい、サムギョプサルや焼き肉をかなりの高頻度で食べていました。料理は大好きですが、「とにかく美味しく食べる」ことがモットーだったので、栄養バランス、添加物、発がん性の高い食品など、健康面は一切無視。

また、アルコールも大好きです。外食の際には浴びるようにお酒を飲み、家で過ごす日でさえもコンビニで買ったビールや缶チューハイを毎日飲む生活から抜け出せずにいました。

今回のことをきっかけに、がん細胞が嫌う食べ物、逆にがんが好む食べ物について知りたいと思い、さまざまな情報に目を通しました。読めば読むほど、これまでどれほど自分の体を粗末に扱ってきたかが浮き彫りになるばかり。私は今まで、グルメを謳歌しながら、がん細胞に餌をあげていたようなものだったのかもしれません……(涙)。

それからは、家でダラダラと飲むのをぴたりとやめ、一気にお酒の量が減りました。食事は、野菜や果物をたっぷりと摂り、添加物まみれの生活を見直し、発がん性のある食品は控えるようにしました。さらに、以前は肉中心でしたが、今は魚介類や貝類を積極的に食べるようにしています。

病気になったのは全く喜ばしいことではありませんが、こうやって健康や生活を見つめ直すきっかけができたことは、とても良かったことだと思っています(ついでに言うなら、お買い物中毒な私の浪費もピタリと止まりました……買い物したい気分になれなかったというのが大きいですが)。

さて、気になる精密検査の結果をお伝えしますね。

不幸中の幸いで、転移はないだろうという診断が下されました(正確には、手術をして取った組織を検査しないとわからないとのこと)。

しかし同時に、子宮、そして卵巣とのお別れが急遽決定してしまったのです。次回のコラムで詳しくお伝えしていきたいと思います。

初期だと思っていたがん。ところが思わぬ事態に…
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イラスト/小澤サチエ
監修/東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座 柳田聡
構成/山本理沙

 

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