登録者数35万人! 人気のYouTubeチャンネルを主宰するパリ在住エッセイスト・井筒麻三子さんが、待望の初書籍『GORO GORO KITCHEN 心満たされるパリの暮らし』を4月14日に刊行。今回は新刊にも掲載した、色柄溢れるマミコ流インテリア術をご紹介します。

 
『GOROGORO KITCHEN 心満たされるパリの暮らし』(講談社) 著/井筒麻三子  写真/Yas
4月14日発売


ロンドンに住んでいた頃、インテリアデザイナーさんのお宅へ取材に行く機会がありました。決して広い、とか豪華、というのではなかったのですが、さすがはプロのおうち。可愛いインテリアに、思わず「わあ!」と声が出てしまったほど素敵でした。

 

まだ若いデザイナーさんだったこともあり、一見高級そうな家具だと思ったら、実はIKEA製品に自分でペンキを塗ったものだったり、シンプルなたんすは取っ手をプレーンなものからクラシカルでおしゃれなものに交換していたり、フェイクファーラグを椅子にあしらってカバーにするなどいろんな工夫がされていて、「アイディア次第でこんなにおしゃれにできるんだな」と感心しました。

なかでも「なるほど!」と膝を打ちまくったのが「色や柄はもっと遊んでいい」という彼女の理論。曰く「私のクライアントさんたちにも常に伝えていることですが、ほとんどの人はインテリアに色や柄を取り入れることを恐れすぎなんです。チグハグになるとか、統一感がなくなると思われるようですが、たくさんの要素を取り入れても意外とまとまるんですよ」。

我が家のベッドカバーは柄オン柄(笑)。でも意外とまとまります。以前は黄色の花柄キルトを愛用していたのですが、猫がバリバリ爪を立てるのでボロボロに……。それ以来キルトは諦め、厚手の1枚布をカバーにしています。

確かに彼女の家は色と柄に溢れていました。リビングの壁は淡いグリーン、戸棚はブルーグレー、カーペットの色は満艦飾という言葉がふさわしいぐらいに華やかなもの、ランプシェードは花柄……。こう聞くとすごく派手そうな家に思えますが、実際はエネルギーを感じつつもとても居心地のいい家だったのです。

色と柄を楽しむインテリアは素敵! といたく感激したものの、当時もパリに来てからも、私の住まいはずっと家具付き賃貸。自分好みの色柄アイテムを取り入れる隙間もないなあと、諦めていました。

そんな制約のある我が家に変化が訪れたのは、クッションを購入したときです。私は昔からクッションがなぜか好きなのですが、以前は馴染みやすそうなベージュ系のものばかり選んでいました。ある日、マドレーヌ寺院近くを歩いていると「閉店セール」を掲げているインテリアショップを発見。入ってみると、華やかな色、動物モチーフのクッションが大量にかごの中に投げ入れられており、値段はなんと70%オフ。まあこの値段なら失敗しても悔いないだろうと、いくつか購入したのです。

座る面よりクッションの占める面積の方が多いような、我が家のソファ。こうしてみると、自分は動物模様が本当に好きなんだなあ……と思いました(笑)。

家に戻って置いてみると……あれ、ソファ周りが一気に華やかになったではないですか。動物モチーフのものは、正直クッションとしては小さすぎでしたが、アクセントとして置いてあるだけでも可愛い。あまりに気に入り、翌日また同じ店に行き、さらなるクッションを買い足したほどでした。


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【写真】パリの井筒さん宅の可愛いファブリックまとめ
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