このクッションでの成功体験から、色柄ファブリックに目覚めた気がします。窓には以前ブラインドが取り付けられていましたが、これを取り外して手作りしたカーテンを設置。これは生地屋さんで見つけた素敵なモチーフと色の布を購入し、端を縫っただけなのですが、やや事務所的だった窓の様子が一変。何もなかったテーブルの下にもキリム絨毯を敷いたところ、ダイニングエリア全体がぐっと暖かみのある雰囲気に変わりました。

パリの可愛いインテリア「色や柄はファブリックで取り入れる」【エッセイスト井筒麻三子】_img4
自分で作ったグリーンのカーテン。この柄はとても評判が良く、何人ものYouTube視聴者さんから「この柄の布は日本でも買えますか?」とお問い合わせをいただいたほど。日本で取り扱いをされている代理店があるそうで、Thevenon(布のブランド名)、Phoenix (柄名)で検索すると見つかるとのことです。

ただし、いくらカラフルがいいと言っても、赤などの強い色を全面に使ってしまうと馴染ませるのが難しいので、注意が必要かもしれません。先日ベッドカバーを替えたくて、レンガ色に近い赤がベースの花柄プリント布を購入。夫と二人で「この赤の色、すごく綺麗だよね」と絶賛して持ち帰ったのですが……いざベッドに広げてみると、赤の色が主張しすぎるのです。寝室はリラックスする場所なのに、これじゃあ全然落ち着けない! となり、結局返品交換する羽目に。
我が家のリビングルームにある2枚のカーペットにはどちらも赤が使われていますし、赤色をインテリアに取り入れることに抵抗がなくなっていましたが、さすがに強い色の場合は量を控えめに、場所をわきまえるべしと学びました。

パリの可愛いインテリア「色や柄はファブリックで取り入れる」【エッセイスト井筒麻三子】_img5
ソファコーナーの絨毯には赤が入っていますが、くすんだ色みなのと全面に使われている色ではないので、目立ちすぎないようです。

ただそんな場合でも、家具と違ってファブリックは返品もたやすいのがよいところ。家具を購入するときほど懐も痛まず、大きな決断も要りません。そして使わない場合はしまっておけますし、素材選びで季節感を楽しむことも可能。インテリアのセンスを磨くには、最適なアイテムだと思うのです。
 

撮影/Yas