「コロナ後遺症」について、知っておきたい2つのポイント


山田:まず一つ目は、「コロナ後遺症」は、時間が解決してくれるものである、ということです。「コロナ後遺症」、つまり罹患後症状の多くは、現時点の研究では時間経過とともに症状が改善することが多いとされています。

 

編集:そうなのですね! 少し安心しました。

山田:もちろん、症状が改善するまでの辛い症状には、薬を処方し症状を抑えることが大切です。ただ、もう一つの大切なポイントとして、あらためて「予防接種」についておさらいしておきたいと思います。

編集:「コロナ後遺症」にも予防接種が有効なのですか?

山田:はい。予防接種は、「コロナ後遺症」のリスク低減に繋がるということが、複数の研究から示唆されているのです。

予防接種の役割と効果は、「事前に建物に防火剤を塗り、火事によるダメージを最小限に抑えること」に似ています。防火剤が予防接種で、火事が新型コロナに感染すること、そして家をご自身の体だと考えてみてください。

火事が起こって炎が燃え広がり、家の多くが焼けてしまった場合、一から修復するのは大変ですよね。ですが、あらかじめ防火剤を塗っておくことによって、火事による被害、そしてその修復も最小限に抑えることができます。

編集:とてもわかりやすいです! あらためて、予防接種の役割と大切さが実感できますね。今日は、「コロナ後遺症」の制度変更とそのメリット、懸念点についても詳しく理解することができました!ありがとうございました!
 

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構成/新里百合子
 

 


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