変わりばえしない単調な生活が「老け」させる


安定していて刺激と変化に乏しい生活は、50歳を過ぎるころから脳への影響が顕著になってきます。脳の老化です。ふだんの生活を振り返って、次のような事項に当てはまると思う人は要注意かもしれません。
 


【老ける習慣】• 行きつけの店しか行かない
• いつも同じものしか買おうと思わない
• 散歩のコースがいつも同じだ
• 同じ著者の本を読む傾向がある
• 毎週見るテレビ番組がほぼ決まっている
 


人は年齢とともに自分の定番から踏み出そうとしなくなります。何事においても「わざわざそんなことしなくても」「面倒くさい」といつもお決まりの生活を繰り返すだけ。これはルーティンといえば聞こえがよいですが、行動を起こすことで失敗をするかもしれないという防衛本能が働いています。こうした傾向は、前頭葉が老けてきたサインです。日常で冒険をしなくなり、新しい刺激や発見よりも、いつもと変わらない安心感と居心地のよさを求めるようになる。年をとればそんなものさと思うかもしれませんが、これでは脳の栄養というべき刺激と発見をみずからシャットアウトしてしまっているのと同じです。

写真:Shutterstock


最初から正解を求めずに、勘でやってみる


したがって、前頭葉の老化予防としてすべきは日常のパターン化の見直しです。まずは行きつけの店に行くのをやめて、初めての店ののれんをくぐってみる。この場合、最近はあらかじめネットで調べて行く人が多いと思いますが、これはお勧めしません。おいしいと評判の店に行って、なるほどおいしかったと感じるのは、ある意味、当たり前で、そこには感動がありません。あるいは、ネットの書き込みに反して、おいしくなかったらどうでしょうか。腹立たしくもなるでしょうし、やっぱりいつもの店にしておけばよかったと、また定番生活に戻ってしまいます。

 

そこで、ネットはあえて見ないようにして、自分の勘を頼りに、のれんをくぐってみることです。おいしければ、自分の勘が当たった喜びも手伝って満足感はひとしおです。期待はずれに終わったら、次こそはと思えばよく、そもそもハズレがあるから、アタリのときの喜びが大きいわけです。

つまり、最初から正解を求めるのではなく、やってみないとわからないことを楽しむ。こういうふうに考えて行動することが前頭葉の活性化につながります。