「どうせ欲求不満なんだろ?」サレ夫の異常行動


「あるとき子どもたちもいる食卓で、突然私の浮気の証拠を突きつけられました。それはiPadから抜き取ったDMなどの大量スクショ。それを無数に並べられたときはヒヤっとしました。焦りではなく、夫が裏でコソコソこんなものを集めていた執着に衝撃を受けたんです。

もう誤魔化しても意味がないし、良い機会だと思い、『あなたの言う通り、他に好きな人ができたから別れたい』と伝えました」

当然ながら、勝也さんは激昂。珠美さんを「あばずれ」「母親失格」など、あらゆる言葉で攻撃しました。

「予想はしていましたが、夫は『慰謝料請求する』と言い出しました。なので私も、『いいよ。でも私が過去に貸したお金で相殺してください』と答えると、また地雷を踏んだんですね。今度は拳が飛んできたので流石に驚きました」

しばらく冷戦状態だった夫婦関係は、ここから本格的なバトルへ突入。

勝也さんの主張は、別れたいなら慰謝料を払い、連れ子である長男・長女の2人を連れて珠美さんが出て行けというものでした。

「たしかに家は夫の名義で、ローンも彼が払っていました。でもその他の出費はすべて私が負担していて家計は折半だったのに、なぜ家を渡さなければならないのか? という争いになり、結局弁護士を入れて戦うことになりました。

今思うと馬鹿馬鹿しいですが、私も意地になってしまって。着地するまで約2年、その間どちらも譲らず、同じ家に住み続けたんです。あれは本当に地獄でした……」

 

この世で一番最悪な人間関係は「いがみ合う夫婦」と聞いたことがありますが、弁護士沙汰を抱えながら2年も同居を続けたとは驚きです。

振り返れば「私が頑固にならず、損をしたとしても、さっさと家を出てしまえばよかった」と珠美さんは言いますが、人は怒りに駆られると冷静な判断ができなくなるのだと思います。

「あまりに大変すぎて、2年間の記憶はだいぶ消えていますが……。日常的な喧嘩はもちろん、もう離婚することは決まっているにも関わらず、驚いたのは彼が私のスマホを盗み見たり、夜中に寝室に突然入ってきて襲ってきたりすることでした。『どうせ欲求不満なんだろ?』とか言って……。恐怖で眠れない夜もよくありました」