登録者数36万人! 人気のYouTubeチャンネルを主宰するパリ在住エッセイスト・井筒麻三子さんが、待望の初書籍『GORO GORO KITCHEN 心満たされるパリの暮らし』を4月に刊行。今回はこの新刊から、麻三子さんがパリの友人たちに聞き取り調査した「フランス人が自覚するフランス人気質」をご紹介します。

 
『GOROGORO KITCHEN 心満たされるパリの暮らし』(講談社) 著/井筒麻三子  写真/Yas

私が思うフランス人像は、“自由で、周りのことを気にせず、自分の主張のある人たち”。でもふと、彼ら自身はどう思っているのかな? と疑問が浮かんできました。

フランス人に日本人の印象を聞くと「みんな礼儀正しくて、よく働いて......」と絶賛してくれるけれど、日本人の誰もが同じ性格なわけではないし、本当は○○なんだけど......ということもありますよね。そこで、フランス人は自分たちをどう思っているのか聞いてみよう! と、仲のいい友人たちに尋ねてみました。

 

もちろん、フランス人全員にアンケートを取ったわけではないので、一部の人の意見に過ぎません。でも私的には、なるほど〜! と感じるものがとても多い結果になりました。

夫のツーさんが昔、シェアハウスをしていたことで仲良くなったフィル。彼の住んでいるバスク地方へ二人で遊びに行ったことも。

まず友人、そして彼&彼女たちの親類から来た返事に共通していたのが「フランス人は不平不満が多い」。もれなく全員がこう答えてきたことには、思わず爆笑してしまいました。

曰く「とにかく何があっても“足る”ということを知らない。だから常に文句ばかり言っている」。

確かにそういった部分はあるようで、ロンドン在住時、皆でフランス映画を観ていたときのこと。主人公が近所の人と挨拶を交わしたのですが、そのやりとりが「元気?」「まあ、なんとかね」。それを聞いたフランス人が、「あ〜、すごいフランス人っぽいセリフ!」。イギリス人なら「元気だよ」と返すところを、“決してよくはない”という、不満めいた返事の仕方がフランス人そのものなんだ、と主張していたのを思い出しました。

フランス人について聞きたいと言ったら、快く集まってくれた友人、カロリーヌとアレクシア。会うたびにとてもポジティブなエネルギーをもらえる二人です。

この点に関しては自覚がありつつ自己弁護もあるようで、「自由があるからこそ、思ったことをそのまま口にしてしまって失敗も多い。私たちは、よくも悪くも自分の感情に非常に正直なの」とは友人のカロリーヌ。
「でもそれは自分がしていることに信念があるし、例えば仕事などでは誇りを持っていることが多いから、ついつい本音が出てしまう」のだそう。

航空業界から転職し、今ではホリスティック・コーチング&風水カウンセラーとして活躍しているカロリーヌ。彼女に我が家の風水を見てもらってから、運気が上がっている気がするのです!


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【写真】不満が多い!?  でも人生を楽しむフランス人たち
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