ひとり旅は「軽いこと」と「壊れないこと」が大事。コスメはできるだけスティックタイプに


――ひとり旅ではどんなお洋服・コスメを持って行きますか?

山脇 以前は、捨ててもいい服を旅に持って行って、現地で着たら捨てて帰ってきていたんですけれど、それだとテンションがダダ下がることに気づいたので、今は「これが一番着たい!」と思えるお気に入りの服を持って行っています。

それからコスメはできるだけスティックタイプのものにしています。コンパクトになりますし、壊れたり割れたりしないので助かります。普段使っているもののミニサイズがあればそれを。リップっていつも最後まで使いきれないから、旅だけでなく、普段もミニサイズを愛用するようになりました。お化粧も年々億劫になるので、楽しくなるようにデザインが好きなものをジャケ買いして持って行ったりします。トムフォードのリップは、ミニサイズもあって、お気に入りです。
ただ、とにかく荷物を減らしたいから、基礎化粧品はサンプルを持って行って使い切ってきたりします。
コスメポーチもすべて軽いナイロンやシルクのものに替えました。

旅の時には「軽いこと」と「壊れないこと」が大事なので。

シャネル、ナチュラグラッセ、トムフォードのリップなど、山脇さんのスティックコスメたち
 


京都の竹のお箸「竹松」さんには、本書を読んで訪れた人が続出!


――本書内で一番記憶に残っている旅はありますか?

山脇 一番ドキドキして緊張したのは、パリです。
ひとりだからこそ満喫したのは、「特急ひだ」です。
ひとり旅を始めて気づいたんですが、誰かと一緒の旅だと移動中はビールを飲んだりおしゃべりしたりしていて、外の景色を見ることがあまりなかったんですね。でも、特急ひだでは、ひとりだったから、すばらしい景色に集中することができて。人が分け入るだけでも大変なところにダムがあったりすると、その大変さを思って、感謝の気持ちでいっぱいになったり。

本を読んだ地元の方から「飛騨川はなかなか大変な川で、氾濫して泣かされたことも」というメッセージをいただきました。

特急ひだ

京都編でご紹介している「竹松」さんの竹のお箸のことも、読んでくださった方から「使ってみたい」と言っていただくことが多いかな。あれも、ひとりだったからこそ、のエピソードだと思います。この間、私が箸を求めた時に、「この本を読んできてくれる方が多くて、今はお店に本を飾っているんですよ」と竹松の奥様がおっしゃって、なんだかうれしかったです。

――それはすごいですね⋯⋯! 骨董屋さんと竹のお箸のストーリーがそれだけみなさんの心にささって「私も行きたい!」と思わせる魅力があったということですね。
他にも、本書の中で反響が多かった場所はありますか?

山脇 どうなんでしょうかー。私が飛騨高山に行きたかった理由のパン屋さん「トラン・ブルー」さんは、もともと大人気なのですが、私の周りで「行ってきましたー」と聞くことが増えました。あと、京都編その2で紹介している、ひとりでも入りやすいイタリアン「メッシタ パーネ エ ヴィーノ」のシェフからは、本をもって一人で来てくれるお客さんがときどきいるよーと聞いたり。

あとは、「巻葉屋分隣堂」の水羊羹(山脇りこさんが飛騨高山で出会った「人生ベスト3の羊羹」)、「蓬莱堂茶舗」の蓬莱茶(山脇りこさんの「京都に行ったら寄るお店」)
とか、「買いに行ったよー」と聞くことが増えたかな。
どこも私の大好きなお店ばかりなので、本を読んで行ってくれるのはなんだかとてもうれしいですね。