顔、体型、毛穴…一つなくなっては出てくる「美の条件」


知子は、美の多様性の象徴のようなプラスサイズモデルに対して疑問を持っています。

「太ってる」以外の部分では世間の美の基準にしっかり沿ってるんだよな、という知子の本音には思わずはげど!(激しく同意)です。

 

最近では、様々な体型の人がモデルとして登場することが増えました。ひと昔なら考えられなかったことだと思います。しかし、知子が言うように、体型以外は、美のステレオタイプをこれでもかというほど踏襲しているんです。

下着のモデルは、みんな脱毛していて毛穴一つなく、肌は滑らかで絶対に二重! これだけ美の多様性が叫ばれても、本当に一重のモデルって少なすぎますよね……。一つ、体型という美の絶対条件が覆されると、かえって他の絶対譲れない条件が浮かび上がるんですよね。

また、SNSを見ても、うんざりするほど、「綺麗じゃない人間は努力をしていない」と決めつけ、見た目を磨かない人を強く非難するような投稿で溢れています。

 

個人が美を追求すること自体はいいことかもしれませんが、なぜかそのモチベーションを上げるために、他の人を「ブス」「デブ」という言葉で貶めたり、強く非難する必要があるのか不思議です。

ルッキズムはよくないこと、というのは多くの人が思っていると思いますが、誰よりもルッキズムを憎む知子が“見た目のいい人”にときめいて困惑するように、無意識のうちに見た目で人に序列を付けてしまう、という人も少なくないのではと思います。筆者も、自分の中にあるルッキズムに気づいては、否定する、の繰り返しです。