それぞれの闘い方に表れる「職業人のリアル」が面白い!


没入感のある映像は、参加者に装着されたボディーカメラや固定の監視カメラ、そして現場のカメラクルーが撮影したものから使われ、臨場感を高めています。ガラスを割って突入する場面なんて、リアリティショーなのにまるでスパイ映画のワンシーンのようです。

『サイレン~炎のバトルアイランド~』配信中 ©︎Netflix

全体的にテンポよく、とっとと進んでいくので、ルールを完全に理解するのが多少難しいことだけが玉に瑕ですが、勝ち抜くために敵対関係を一時的に解除して同盟が結ばれたり、計画立案の過程もプロ中のプロといった見せ場が設けられ、無駄なシーンが少なめです。気づけば全10話があっとういう間。どのチームが生き残るのか見届けたくなるだけでなく、それぞれの闘い方に興味が広がっていきます。

 

たとえば警察チームのこの言葉。

「令状を持参しても犯人は扉を押さえて抵抗する。なぜ抵抗するのか(これまで)理解できなかったけれど、あれは最後の抵抗だったのか……」

と、反省の仕方からして警察らしい。知れそうで知れない職業人のリアルを感じる場面に関心もします。


前哨戦となる干潟を渡るミッションも、ひたすら薪を割ったり、火を起こしたり、消したり、穴を掘ったりするアリーナ戦も地味と言えば地味。でも、身体能力や集中力の高さをひしひしと伝えてきます。言葉少なめにチームの絆が深まる姿は美しく、時に敵をたたえ合う潔さまで魅せてくれます。

『サイレン~炎のバトルアイランド~』配信中 ©︎Netflix

今年はNetflixで全8作品以上の韓国発リアリティショーが登場し、その数は昨年と比べて倍に増加。フィジカル系ではほか、非英語シリーズのグローバルTOP10で1位の記録を作った耐久バトルの『フィジカル100』もあります。『サイレン ~炎のバトルアイランド~』はそこまで好成績を収めていませんが、世界のレビューサイトで高評価を受けています。予想以上に迫力満点な闘いは見る価値ありです。


構成/山崎 恵
 

 


前回記事「「同僚が使った食器を洗い、食事の時間も取れない…」女性のリアルな経験談から生まれた映画『アシスタント』の衝撃」はこちら>>