こげがうちに来たのは、のんさんが亡くなった翌年のこと。またもやパートナーが寒い中、公園でうずくまっている子猫を見つけて連れて帰ってきました。彼は猫に呼ばれやすいタイプだったのかもしれません。ブンもこげも、私が家に帰ったら既にいた、という感じです(笑)。こげとひなちんはやっぱり仲良くないのですが、ブンとこげは年齢が近いせいか、兄弟のように仲がよくなりました。

保護直後(左)と、ブンと仲良しになったこげ

ひなちん、ブン、こげをうちに連れてきたパートナーとは、昨年お別れすることになりました。彼が転勤することになったのですが、多忙な仕事で、猫の世話は難しいので、話し合いの末、“親権”は私が持つことになりました。別れた時、精神的にかなり落ち込んでしまったのですが、猫がいなかったらどうなっていたかわからないくらい、猫たちの存在に助けられました。正直なところ、ひとりで3匹を飼うのは大変ですが、この子たちには私しかいないので、私がなんとかしてみんなを守らないと! という気持ちが強く芽生えました。

 

コロナのあと、私の勤務形態もかわって、出社と在宅が半々になりました。猫と過ごす時間が長くなってよかったと思っています。ひなちんはパートナーと別れて環境が変わったせいかストレスで体調を崩し、そのあと、消化器に炎症があることがわかりました。また、年齢のせいか、トイレやベッドの段差を乗り越えるのが大変になってきたので、スロープやステップを設置してやることにしました。部屋にモノが増えるのは嫌なのですが、猫たちが快適に過ごしてくれる方が大事です。

仲がいいわけではないけど、近くにいることもあるひなちんとブン(左)。こげとブンはいつも仲良し。

14歳になったひなちんの体調は心配ですが、1回病院に連れて行くと、2週間くらいご飯が食べられなくなるため、よほどのことがない限り、病院には連れていけません。だからこそ、様子をよく見るようにしています。

ひなちんと暮らし始めてから、もう14年になります。長らく暮らしていると言葉は通じなくても、意志の疎通はできるようになってきたのは、シニア猫ならではの魅力ではないかと思うんです。ある日、玄関でにゃーにゃー鳴きながら何度もゴロンとするのを見て、「玄関マットがほしいのね!」と気づくことができましたし、小さな声で「おはよ」「ごはん」と鳴くようになりました! ブンも、私が悪夢を見てうなされているのに気づいたのか、別の部屋から駆けつけてきてくれたことがあります。

夜、帰宅した時に撮った写真。3匹で揃ってお出迎えしてくれます(揃ってないですが……)

3匹セットで仲良しではありませんが、私の出社日は、会社から帰ってくると3匹とも玄関の近くで待っているのが、とても愛おしいです。猫たちが元気でいるために、私も元気でいなくてはならないですし、つくづく私は猫に生かされていると実感しています。


イラスト/Shutterstock
文・編集/吉川明子

 

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