金融リテラシーとは


高校で資産形成の授業が導入されたのは、今後はお金の知識が必要不可欠という時代背景があります。年金や高齢化に伴う支出など、若い人から高齢者まで、お金と社会問題は切り離せません。

金融リテラシーとは、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のこと。最近は、騙しの手口も投資詐欺から悪徳商法、偽SNS、偽メール、偽サイトを経由したフィッシング詐欺まで多様化していて、若者から高齢者まで被害は広がる一方です。

また、現在はクレジットカードや電子マネーによる決済など、現金と接する機会が減っていることからも、金融リテラシーの必要性はより高まっています。

金融庁は「最低限身に付けるべき金融リテラシー」として、4つの分野に分けた上で、適切な収支管理やライフプランの利用など15項目を挙げています。

 

各年代で身に付けたい金融リテラシー


小学生から高齢者までという幅広い年齢層を考えると、年齢によって当然ライフイベントも異なり、必要な金融リテラシーには差があります。では、具体的にどのような知識が必要なのでしょうか。

金融広報中央委員会が運営する「知るぽると」はお金の勉強をしたい方に役立つサイトですが、そこでは最低限身に付けるべきお金の知識が、年齢層別に「金融リテラシー・マップ」として具体化されています。このマップを利用すると、家計管理や生活設計、金融知識など、金融リテラシーに関するさまざまなことを学ぶことができます。

少しページは多いですが、小学生から高齢者まで、それぞれの年代で具体的に何を学べば良いのかがまとめてあります。たとえば、小学生の家計管理には「必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別し、計画を立てて買物ができる」とあります。これは筆者もうっかり忘れてしまっていたもので、再認識するきっかけにもなりました。

今の大人世代は、学生時代にお金の教育を受けてきていません。今さら手遅れと考えるかもしれませんが、今は人生100年時代。脂が乗った40、50代でも、まだ半分前後の人生です。個人的には、お金の勉強は大人になっても必要だと思っています。お金について少しでも学べば、10年後には違った人生になるかもしれません。学んだことは、親や子、家族でぜひ共有してみてください。

なお、「知るぽると」では、お金の知恵を動画で学べる「マネビタ」や、ライフプランを簡単にシミュレーションできる生活設計診断など、さまざまな情報が掲載されています。

 

きちんと勉強したい方にオススメしたい5つの資格


目的なく情報収集すると、溢れかえる情報量に疲弊してしまうことも。いっそのこと、資格を目指しつつ知識を増やすというのも1つの手です。そこで、比較的取り掛かりやすい資格を5つご紹介します。

 
 ①ファイナンシャルプランナー(FP)
②日商簿記検定
③DCプランナー
④マネーマネジメント検定
⑤金融リテラシー検定
 

迷われている場合は、ファイナンシャルプランナーから勉強されることをオススメします。3級から段階的に勉強を進めることで、知識が上乗せされ、金融業界はもちろん普段の生活でも役立つ知識を身に付けられます。

記事内に出てきた「金融の勉強を始めたい方におすすめのリンク集」はコチラ
■金融庁がまとめた「最低限身に付けるべき金融リテラシー」
■お金の勉強をしたい方に役立つサイト「知るぽると」
■年齢層別に学ぶべきことがわかる「金融リテラシー・マップ」
■お金の知恵を動画で知れる「マネビタ」
■ライフプランを簡単にシミュレーションできる「生活設計診断」

構成/渋澤和世
取材・文/井手朋子
イラスト/Sumi
編集/佐野倫子

 

 

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