「老害」と思われても仕方がない思考・行動とは?

 

高齢者の個性や能力を考えず、ひとまとめに「老害」の烙印を押すのはよくありませんが、なかには、「老害と思われても仕方がない」という思考・行動があります。

 


「老害」の具体的な特徴としては、①人の意見に耳を傾けない、②怒りっぽい、③プライドが高い、④話が長い、⑤自分の価値観を押しつける、⑥年上というだけでいばる、⑦「最近の若者はだめだ」が口ぐせになっている、⑧時代おくれの価値観にしがみつく、⑨自分がまちがっても謝らない、⑩説教をしたがる、ことが挙げられます。

高齢者のなかには、自分のことを「絶対的な正義」と思いこむ人もいます。自分に意見してくる人間を「なまいきだ」と切り捨てるのは、高齢者の凝り固まった“正義”に基づく「老害」の思考です。怒りっぽいのも、それまでの人生で相手を威嚇して抑えこんできた経験が影響しているのでしょう。人生経験の乏しい者は劣っていると決めつけがちな人、年上というだけでいばる人、「最近の若者はだめだ」が口ぐせの人、自分がまちがっても謝らない人、説教をしたがる人などにも同傾向がみられます。

話が長いのは、「自分の話は傾聴に値する」という傲慢な考えに起因しています。自分の価値観を押しつける人には、相手との建設的な意見交換を通じて、よりよい結論を導くという発想が欠けてしまっています。時代おくれの価値観にしがみつくのは、思考が硬直化しているあらわれで、年功序列・男尊女卑信者に多くみられます。

このように「老害」には、“偏見”によるレッテルとしての老害と、“正義”が生み出す困りものの老害の2種類があります。前者に対しては、自分の考えを大事にしつつも、最終判断の前に周りの意見に耳を傾けたり、実際のデータを調べたりしてみてください。後者を避けるためには、自分の正義がほかの人にとっても正義なのかどうかを、つねに問い直す習慣が必要かもしれません。