きっかけは岡本太郎!?一心不乱に描き上げた不思議な「太陽」

GAKUさんが絵を描き始めたのは16歳のとき。川崎市にある岡本太郎美術館に行った翌日、“Gaku, paint!”と宣言し、突然手元にあったトレーシングペーパーに絵を描き出したといいます。

そのとき、GAKUさんが一心不乱に描き上げたのが、「太陽」というタイトルの絵。彼は「たいよー、たいよー」といいながら黒色の背景に赤、青、緑、オレンジなどの球を8個描いたそうですが、佐藤さんにはそれがとても不思議に思えました。

「不思議なのは、岡本太郎美術館で見ていた絵が太陽だとは、誰もがっちゃんに教えていない、ということだ。がっちゃんは説明文も読めないので、どうやって岡本太郎の作品が太陽をモチーフにしていると知ったのだろうか? そして、もうひとつ。普通であれば、黄色か赤色の玉をひとつ描いて太陽とするところだ。そこを、がっちゃんは異なった色で複数の円を描いて『太陽』だといった」

「太陽」(16歳)

一般的な「太陽」のイメージから大きくかけ離れたその絵を見た佐藤さんは、不思議に思うことはあっても、それを否定することはありませんでした。その柔軟な姿勢も、アーティスト・GAKUの誕生に一役買ったのではないでしょうか。

 


「もしかしたら、がっちゃんは岡本太郎の作品を通じて、向こうの世界から同じ電波をキャッチしたのかもしれない。いずれにせよ、がっちゃんが岡本太郎の作品にインスピレーションを受けて、自分なりの太陽を描いたことは驚きだった」