②文句を言う時こそ口調を可愛く! おねだりにすり替える


さらに、春田がすごいのは文句が文句に聞こえないところ。「時間は作るもんだろ!」なんて言われたら、普通はイラッとしますよね。でも、春田が言うとなぜか愛らしく見える。なんなら、牧に甘えているのかな? と思えてくる。それは、おそらく言い方の問題だと思うんです。

まず、春田は文句を言う時にこそ声色をワントーン上げています。さらに、口をとがらせて“今、文句言ってますよ”と全力でアピールしている。「怒ってないし」とか言っておきながら、実はめちゃくちゃ怒っている“察して”タイプより、分かりやすくていいですよね。

そして、いちばんのポイントは、語尾に小さい母音をつけていること。たとえば、「ご飯いらないならさ、連絡くらいしてよ」とキツめの口調で言ったら、喧嘩になる可能性が出てきます。でも、春田は「ご飯いらないならさ“ぁ”、連絡くらいしてよ“ぉ”」と甘えた感じで文句を言う。そうすることで、文句というよりおねだりのように聞こえてくるんです。

 

③気遣いの神! 本命以外にはやったらダメなテクニック


春田は、とにかく優しい。私が牧の立場だったら、ちょっぴり不安になってしまうと思います。だって、かつて自分に好意を寄せていた黒澤部長(吉田剛太郎)に、「外寒いんで、よかったらこれ使ってください」とイヤーマフを渡してあげるって……。黒澤部長が、昔の気持ちを取り戻してしまうのも無理はありません。

その上、春田はこれだけでは終わらない。イヤーマフを渡すだけでなく、黒澤部長の耳につけてあげるんです。ズルい、このテクニックはズルすぎる。本命以外にはやったらダメなやつ。


そして、もちろん本命の牧への気遣いも忘れません。関東が今季いちばんの寒さだと知った春田は、牧の会社までカイロを持ってお迎えに。ここでも、カイロを渡すだけでは終わらないのが春田の強さ。「寒いから、カイロ持ってきたぁ」と言いながら、牧のほっぺにカイロを当ててスリスリ。渡してあげるだけでは終わらないのが、春田なんです。

“愛され力”が詰まりまくった春田というキャラクター。なんだか、シーズン1の時よりも尊さがパワーアップしてる気がしませんか? クスッと笑えるストーリーとともに、春田の可愛らしさにも全力で癒やされていきたいと思います。

 

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