③ スコットランド系オーストラリア人だったメアリー王妃。2人の出会いはバー!

2003年10月、コペンハーゲン、フレデンスボー城にて。写真:AP/アフロ

1972年2月5日に誕生された、メアリー・エリザベス・ドナルドソン氏。オーストラリアのホバートで生まれ育った4人兄姉の末っ子で、ご両親はスコットランド人。実はメアリー王妃のルーツはスコットランド系オーストラリア人です。

タスマニア大学を卒業後は、メルボルンやシドニーなどで広告会社のアカウントマネージャとして、また不動産会社でアカウントディレクターとして働かれたりと、転職をしながらキャリアを積まれました。

フレデリック国王との出会いは、2000年のシドニー・オリンピックの時。弟・ヨアキム王子と一緒にフレデリック皇太子がいらしたのは、なんとバー! 王子が、メアリーさん(当時)の同居人と知り合いだったそうですが、メアリーさんはそんなことは露知らず。よって、まさか“フレデリック皇太子(当時)”だとは思いもしなかったのだとか。意気投合し、その後遠距離恋愛を育み、2002年にはメアリー王妃がデンマークに移住。デンマーク語を習得しつつ、マイクロソフト社に勤務もされていたというから凄い。一般出身で、キャリアもあるまさに才女でございました。

そして2003年の10月に婚約発表。
フレデリック皇太子が贈られた婚約指輪は、エメラルドカットのダイヤモンドと、デンマークの国旗カラーに似た、エメラルドカットのルビーのバゲットを2つあしらったもの。そのリングを皇太子が自ら披露されているかのようなこの画像は、婚約後に受けられたインタビュー『60ミニッツ・オーストラリア』でのお二人。

“完璧な王室”に嫁ぐことの意味について質問された、当時31歳のメアリー皇太子妃(当時)は、「完璧なプリンセスとは何でしょう? それってとても主観的なものだからわかりませんが、私が言えるのは自分らしいやり方で役割を全うし、一生懸命ベストを尽くすことだけです」と、ご自分の意見をもちつつ誠実な姿勢がうかがえる、未来の王妃としてパーフェクトなお答えをされました。

 


④ 交際から約4年後、ついにご成婚

2004年5月14日、コペンハーゲンの大聖堂にてロイヤルウェディング。 ウェディングドレス/Uffe Frank 写真:Best Image/アフロ

出会いから約4年後、コペンハーゲン大聖堂にてロイヤルウェディングが行われました。国を超え、デンマークのプリンセスとなられたメアリー皇太子妃(当時)のウェディングドレスは、デンマークのデザイナー、Uffe Frankによるもの。

キャサリン妃など英国プリンセスのウェディングドレスでも用いられる、アイボリーのダッチェス・サテンで作られ、長袖にフィットしたウエスト、モダンなスクープネックが、メアリー皇太子にとてもお似合い。スカートには、腰から開くパネル部分に折り畳まれた、8メートルにも及ぶアイルランドの先祖伝来の貴重なレース(元はフレデリック国王の曾祖母:スウェーデンのマーガレット皇太子妃に贈られたもの)があしらわれています。トレーンは長さ6メートルで、取り外しが可能。

ティアラはマルグレーテ女王から贈られた、ダイヤモンド・フローラル・ティアラ。その名の通り、ダイヤモンドの花とリーフがモチーフになった繊細かつ豪華なデザインで、初々しい皇太子妃とクラシックなニュアンスのドレスにぴったりです。

ダイヤモンドのイヤリングは、夫フレデリック皇太子から結婚祝いに贈られたもので、ダイヤモンドとルビーのネックレスは、オーストラリア政府から贈られたもの。

更に、ウェディングドレスの裏地には、25歳の時にお亡くなりになったメアリー皇太子妃のお母様の結婚指輪が縫い付けられていたそうです。またブーケにも、母国オーストラリアを象徴するユーカリが入れられ、更にそのブーケを母の墓前に置くために、式後オーストラリアに送られたのだとか。