エレガンスを求める人がやっておきたいこと

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まさし SNSに氾濫している言葉を見てても、自分の弱みを守るために人を攻撃するような言葉が多過ぎるから。

タキ そうね。そういう意味じゃ怖い世の中になっちゃったわね……。

 


まさし エレガンスというのは、じつはそういう言葉の端々にもうあるんじゃないかと思うんですよね。僕はエレガンスをある種の教養だと思ってるし、教養というのは、知識を応用する力のことを言うんだと思ってるから。

タキ 教養とは本質を見抜く力だと思うの。そして知識を応用していく力でもある。応用力って大事よね。

まさし だから、例えば今は、テレビを見てても知識のある人を頭がいいって言うんですよ。

タキ うん。

まさし 知恵じゃないんですよ。知識があるだけで頭がいいって評価されるのね。例えば雑学に詳しいとかクイズに全問正解だとかね、それはもちろん頭の働きは素晴らしくよいことだから間違いではないんだろうけど、それと教養とはまた異質なものだと思っていて、それが応用できるかできないかを見ていると、案外知識が豊かでも応用できてない人が多いんですよね。おばあちゃんの知恵袋みたいなものを日常の中でポッと使える人が今、減ってると思うのね。それは何が原因なんだろう。社会が原因なんだろうか。家庭教育なんだろうか。

タキ やはりまずは家庭教育なんだろうけれども、そこがなかなか難しい時代になってきちゃったからね。そうすると原因は学校にもあるし、社会にもあるし。でも、結局は、どんな野に放たれても、自分がどうしたいか、だと思う。それともう一つ大切だと思うのは、エレガンスを求めたり品格を求めたりしたいと思っている人は、最初はよくわからなくても、自分を磨くために展覧会や美術館に行って本物をよく観ておくこと。本物を観たり聴いたりしておくことは、すぐには役に立たなくても、心の栄養となって必ず後年役に立つから。