父に内緒だった「800万円の借金」の意味は…?

どうしたらお義母様への資金援助を見直せるのか。根本的な解決に向かうための方法として、浪費癖の原因がどこにあるのか、お義母様にカウンセリングを受けていただくことも視野に入れてみてはいかがでしょうか。パチンコや旅行、買い物などで1億円を使い切るというのは、何かしら「お金を使うこと」への依存状態にあり、自分では制御不能になっている可能性もあるからです。

特に気になったのが、お義母様が、お義父様に内緒で買い物をした借金800万円について、「お父さんに知られる前に返せてよかった」と発言したこと。亡きお義父様にはとても聞かせられない、非常に冷酷な発言だと思います。想像するに、お義母様のお金依存、浪費癖は今に始まったことではなく、子どもたちからは長年「見えなかっただけ」なのでは? とも感じてしまいます。できれば専門家に相談し、アドバイスを受けることが大切ではないかと思うのです。

 


「ファイナンシャルプランナー」への相談で夫の目を覚ます

とはいえ、お義母様本人が「浪費癖をなおしたい」気がなければ、カウンセリングに連れていくのも困難でしょうから、HITOMIさんとしてはまず、旦那様に危機感を持っていただくのが先決かもしれません。今は現役バリバリで稼いでいらっしゃる旦那様も、現実問題として50代になると、健康と折り合いをつけることも増えてくるはずです。それに突然の病気や事故、取引先の倒産、社会情勢の不安……いつ不測の事態が起き、困難が降りかかってくるかは誰にも予測できません。

HITOMIさんとしてはそうした事態に備え、「転ばぬ先の杖」として少しでも蓄えを増やしておきたいこと、13歳の娘さんにもまだまだお金がかかることを旦那様にしっかり伝えましょう。そして、旦那様と一緒にファイナンシャルプランナーに相談しに行かれてはいかがでしょうか。お義母様の資金援助のことも伝えて、毎月の出費、保険の見直し、将来の老後資金のための点検を、お金のプロに評価してもらうのです。男性は「このままでいいの?」と漠然とした不安を訴えるよりも、具体的な数字を見せた方が危機感や納得感を持ってくれる傾向にあるからです。

お義母様がまったく自立をしないまま旦那様も高齢になったら、一番困るのはHITOMIさん夫婦であることは目に見えています。そのことを数字でしっかり確認しながら、旦那様と根気よく話し合われてみてください。結果、資金援助を縮小することになり、お義母様に「息子夫婦はケチなの!」と周りに悪口を言われたっていいじゃないですか。「大好きなお母さん」ならばなおさら、心を鬼にして自立を促すのが本当の愛だと思います。

HITOMIさんご夫婦は、守るべき家庭と資産をしっかり守り、将来に支障のない範囲でサポートをするべきです。そして、息子夫婦の支援を当たり前と思わず、「子どもたちの生活と将来を尊重する」ための自立心がお義母様に芽生えることを、私も心から祈っています。

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取材・文/金澤英恵


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