—— 普通に保育園に送迎するだけでも、雪の日はとても大変ですよね。

そうですよね。しかも娘が午前中に通っていた療育施設から、午後に登園する保育園に行く道のりには歩道橋があったんです。

療育から保育園への移動はヘルパーさんにお願いしており、降雪の日には、凍結による転倒が心配なので翌日のルートを変えたいと連絡がありました。

しかし娘は、自閉症の特性で、突然の日課の変更に適応する力が乏しく、当時は毎朝写真を見せながらお迎えのヘルパーさんのお顔や日課を確認して、ようやく日々の暮らしを成り立たせている状況でした。前触れもなく、道順が変わってしまうと混乱し、情緒不安定になってしまいます。

そのため、いつものルートで娘が登園できるように、早朝のうちに家から少し離れたところにある歩道橋まで行って、階段や通路をすべて雪かきしてから家に戻って、朝の支度をし出勤してたのです。

そんな感じで毎日、朝から必死に動き続けていたので、「おはようございます!」と、職場に足を踏み入れ、着席したときの達成感といったらありませんでした。ゴールのテープを切ったような高揚感がありました。仕事はそこから始まるのに(苦笑)。

幼い頃は多動で、走り回るのが大好きだった娘。朝の準備をしている間に玄関から勝手に出ていって行方不明になってしまったこともありました。