長女がカナダの高校に留学中、現地を訪れて16歳のバースデーをお祝い。

そんな唯一の娘であるありあさんは、MALIA.さんにとっては“バディ”のような存在。少し前まで超がつくほどの反抗期で、4きょうだいの誰よりも対峙するのが大変だったそうですが、彼女のユニークなところを誰よりも愛し、理解しているのはMALIA.さんに他なりません。

「わが家のギャル姉さんは、ものすごく生意気なんだけれど、優しくて面倒見もいいんです。今になってやっと話せるようになりましたが、次男とありあの父が病気で亡くなり、私がショックで落ち込んでしまっていたときも、隣で『ご飯食べな』『ママお風呂入りな』と寄り添ってくれたのは、まだ11歳の小学生だった彼女でした。そんなありあが、実は少し前に、珍しく涙を見せるという出来事があったんです。それは、次男の誕生日に際して、彼と彼女の父親のことをSNSに投稿した直後のことでした」
 


彼との永遠のお別れについて、わたしはメディアでも一切触れてこなかったし、こども達とも特に触れることはありませんでした。
娘の流した涙は、人との別れ、人生のこと、いつか結婚する相手のこと…ピュアな気持ちで語りあうきっかけとなってくれました。
彼女は思春期だから、当然、ツン! としながらではあったものの、自分の中に閉じ込めてあった気持ちを話してくれました。

―15 「喜怒哀楽を全力でシェアする。」
 


今でこそ、「彼の存在がなければこの子達にも逢えなかった」と、元夫に心から感謝しているというMALIA.さんですが、離婚からしばらくは、彼を憎しみ抜き、傷つけたいというマイナスの欲望にとらわれていた時期もあったそう。

「そんな自分が大嫌いでした。でも、そのうち時間が解決してくれた。最後は、なんでも相談できる“親友”のような関係でしたね。病気のことも早くから打ち明けてくれていたし、私もプライベートの悩みを彼に吐き出させてもらっていた。『もう俺は仏だから(笑)』と、やさしく何でも受け止めてくれました」

今回、SNS投稿をきっかけに、亡き父について想う娘と、初めてじっくり話す機会を持ったというMALIA.さん。もう会えなくても、確かに彼は私たちのそばで見守っていてくれている―そんな思いを込めて娘に贈った愛あふれる言葉は、ぜひ本の中で確かめてみてください。

2022年に撮影した家族写真。「4回の結婚と離婚があっても、ブレることなく自分の足で立ってこられたのは、子どもたちからたくさんの愛をもらったから」(MALIA.さん)


これまで、本能の赴くままに、自由奔放に生きてきたように見えるMALIA.さん。しかし、今作の終盤に書かれている以下の文章を読むと、彼女への印象がガラリと変わるのではないでしょうか。


ひとりで子育てをしてきた私ですが、みなさんに伝えておきたいことがあります。それは、わたしが離婚に対して全肯定しているわけではないということです。
もし、今離婚を迷っているなら、とどまる選択肢があるということにも気が付いてもらいたいのです。

―「おわりに」より
 


「子どもを持つ母親が恋愛をするのは難しいのでは? と聞かれることがありますが、だからこそ、好きな人ができたら、即、籍を入れて家族になろうとしてきました。だけど、『結婚=幸せ』と思い込んでいた自分は、あまりに純粋で、未熟だったと思います。これまでの人生に後悔はないけれど、本音をいえば、最初から最後まで“ひとつの家庭”で子どもを育てたかった。たとえ別れたとしても、母親と父親として、いい関係を続けるべきだったと思います。だから、友人から離婚相談を受けると、よほどの理由がない限り、全力で『別れないで』と止めるようにしているんです。つらいことはもちろん、楽しいことも、共有できるパートナーがいた方が、お母さんは幸せだと思うから」

最後に、5回目の結婚の可能性をお聞きすると、笑いながらこんな返答が。

「周りからは『絶対またしますよね?』と期待されているんですが(笑)、本を作るために過去を見つめ直したら、一気に夢から冷めてしまった感じ。今のところ、結婚はもういいかな……と思っています!」
 

インタビュー前編
「3人の子を連れて離婚。あの頃は金銭的にめちゃくちゃ追い詰められていた」モデルMALIA.が語る、大ヒットコスメ&ブラジリアンワックス事業と子育て>>
 

 

『こどもも自分も一緒に幸せになる 育児育自論』
¥1760(A-Works)

モデル、経営者として走り続けるMALIA.さんが、4度の結婚・離婚と、4人のこどもを育てる中で気付いた、“人生で大切にしなければならない16”のことを一冊に。21年の育児の記録の中に、「親もこどもも幸せになる」ヒントが散りばめられています。3月22日にはキャトルセゾン浜松にて、出版記念ランチトークショーを開催。詳細はこちらから>>


取材・文/栗田瑞穂
 

 
 
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