いかに被害を少なくできるか 見極めのポイントは?


最後に「減災」についてです。

「減災」とは、発災前、発災時の情報を取り、発災後に避難所ではなく自宅避難し、いかに被害を少なくするかということ。

「近年は、台風や集中豪雨などの水害での避難情報が頻繁に発令されています。その時に「家に留まる」か「家から逃げる」かを判断することが減災につながります」と山田さん。

できれば、自宅で嵐が過ぎ去るのを待ちたい……と切に思うのですが。

「浸水すると10〜20cmで足元が見えなくなるといわれています。そのような状況では避難する方が危険です。2018年の西日本豪雨のとき、午前4時すぎに停電し、最終的に戸建住宅の2階の手前まで浸水。19時にボートで救出されるまで実に15時間かかったという報告もありました。

避難するなら、前日の夕方までに終えること。それがいかに晴れていても、です。

自分が避難すべきかどうかは、国土交通省の『重ねるハザードマップ』で自分の家に想定される被害を調べることができますし、気象庁の『キキクル』では、洪水害予測や河川氾濫のリアルタイム情報を、同じく自宅付近までクローズアップして調べることができます」

ほぼ敷地単位で閲覧できるので、ブックマークしておくと外出先でもチェックできるので、いざというときに心強い味方になります。

いつ避難するかを山田さんにまとめてもらいました(提供:くらしノベーション研究所)

災害時の対応や復旧は、公助によるところが大きいので、自力ではどうにもできないことも多々あります。

 

だからこそ、「復旧しやすさ」の観点で、防災、減災を考えることが「災害レジリエンス」のポイントといえそうです。


構成/佐野倫子

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