ミモレ読者のみなさん、こんにちは!

「もしかしてわが母っておしゃれ? おしゃれなの???」。この度、母との旅を思い起こしているうちに新しい気づきに出会い、びっくりしている太田でございます。近くにいても見えないことってまだまだあるものですね。

スペインのトレドにて。ゆるシルエットの白いパンツにやわらか素材の黒トップス、カシミアやシルク素材のストールをさらっと巻いて。母の「ザ・定番旅ス タイル」です。


母のファッションというと……夏以外は必ずストールをしているイメージがありました。どうやら、これにはかなりこだわりがあったようです。
訪れる場所や、小さな季節感の違いによって母はストールを選び替えます。私も幼いころから季節感に関しては、「今の季節にその色はおかしい」「その素材はもう少し後の季節になってから」などといろいろ細かく言われたことを思い出しました。

旅行でも、母はスト―ルを必ず3~4枚は持って行き、色や素材違い、柄のあるものないもの、厚手のもの薄いもの……その日訪れる場所やイベントによって細かく変えます。そもそも母の好みの服は無地、それも暗めの色が多いので、ストールがないと地味な印象になってしまうかもしれません。

パリのマーケットにて。肌寒かったこの日は、カシミア素材のストールを巻いています。このモーブのような曖昧な色は秋のパリにぴったりな気がします。

ストールはさっと巻くだけでも第一印象を華やかなものにしてくれるし、複数持って行ったとしてもそんなにかさばらないので、着回し重視の旅にはもってこいのアイテムです。着心地最優先の母が選ぶものは、カシミア、シルク、シルクカシミアなど肌触りが良い素材のもの。母いわく、「いくら素敵でも、着け心地が良くなかったり、動きを縛るものはいやなの」とのことだそうでございます(はいはい。笑)。
 

 
 
 
 

同じニットでも顔回りのアイテムが変わるだけで印象がガラッと変わります。ときには旅先で購入することも。

もうひとつ、母が旅に多めに持って行ってTPOで使い分けているのは、長さや色合い、ボリューム感がさまざまなネックレス。ヨーロッパでは、ある程度年齢を重ねたマダムが、大ぶりのネックレスを印象的に素敵に身に着けているのをよく見かけます。わが母もシンプルなニットに合わせたり、シャツの第2ボタンを開けてそこから覗かせたり、それなりにヨーロッパの町に溶け込んでいて、娘の私でも「あら素敵!」と感心することが多々あります。

黒いシンプルニットにネックレスの組み合わせは、どんな場所でもなじむシックな装いになります。ここで羽織っている厚手の大判カシミアストールは、軽いコートとしても使える便利な一枚。

ストールにしてもネックレスにしても、顔周りの印象をぐっと華やかに引き立てくれるんですよね。若い時ほど顔に「輝き」がなくなってきたとき、さりげなくそれを補ってくれるツールと言えます。顔の輝きとネックレスの大きさはまさに反比例のバランスがちょうどよいのかも。母はそれを知っててやっているのでしょうか……? いや、おしゃれじゃないですか~(笑)。

母よ、ありがとう。勉強になります。
……と、めずらしく殊勝な気持ちになった娘でした。では、また木曜日に!
 

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