ミモレ読者のみなさん、こんにちは!
この連載も残すところ、今回を含めてあと4回となりました~(涙)。そして、溢れる涙をこらえつつ(笑)、今回も先週に続き、レンタカー旅のお話をさせていただきます。

クルマで旅をしていると、いい眺めに車内からついつい撮影してしまいます。気づけば、こうした世界の車窓風景写真が大量に。笑


高齢の母と50をすぎた娘のレンタカー旅には、実はメリットがたくさんあります。

1)パッケージツアーなどが目的地に選ばない場所に行ける
2)スケジュールが自由に組め、急な変更も可能。休憩も自由
3)大量で重い母の荷物があっても平気。おみやげもたくさん買える
4)電車やバスなど公共交通を使っては行きにくい街や村に行ける
5)全天候に対応。雨でもへっちゃら 
……などなど


私たちの初めてのレンタカー旅でも雨が降りました。3世代の女性4人旅(母、妹、私、私の娘)だったのでスーツケースが4つもありましたが、クルマがあったので移動はノーストレス。また、スケジュールも結構変わりました。母の疲れ具合だったり、現地の方に勧められた場所に突然行ってみたり、と。でも、クルマなら融通は自在で予定変更も全然平気! 想像していたよりも充実した、本当に楽しい旅となりました。

庭園が有名なコッツウォルズ地方のバーンズリーハウス。クルマ旅なら雨でも大丈夫とはいえ、気持ちよく晴れたイギリスは最高です。


私が初めてレンタカーで旅した国は、日本と同じ左側通行のイギリス。南西部のドーセット州とコッツウォルズ地方です。到着してすぐにヒースロー空港でクルマを借りて旅立ち、6日後にヒースロー空港に返して帰国。

あれ? と思われた方いらっしゃると思います。イギリスに行ったというのに何かが抜けている―――ビッグベン、バッキンガム宮殿、ハロッズ、赤いロンドンバスやホグワーツに向かう9と4分の3番線はどこ? そうです。わたくし、この旅では思いきって大都会(ロンドン)を捨てました(笑)。日本でいえば、東京は寄らずに北陸や信州に行きました、みたいな感じかしら。レンタカーでの心配ごとを考えていたら、クルマ量の多い都会を避けることで、わたしの心配事の半分近くがなくなるということに気づいたからです。

ヨーロッパの田舎道は運転もしやすいうえに、素晴らしい景色も楽しめてドライブには最適です。ドーセットではB&Bのご主人のマーティンに勧められたドライブコースを運転してみました。右側に広がるイギリス海峡、左側には羊たちがのんびり草を食べているなだらかな丘。まっすぐな一本道を窓を開けて走る時の気持ちよさといったら! 日本での心配事や嫌なことすべてを流れ込む海風が流してくれている感じでした。

ドーセット州の海辺。私たちがヨーロッパを旅するのはもっぱら秋なのですが、季節外れの海のそのひなびた佇まいがむしろ気分です。
こちらはドーセットの海辺を臨むシーフードレストランにて。シーズンでなければ、食べるところにも事欠きません。


また、田舎をドライブしていると、点在している小さな町や村にも気軽に寄れます。私が小さな町を散策していてとても好きな瞬間は、家のなかがちらっと見えた時(ちょっと怖い?)。おばあさんがお茶の準備をしているところであったり、庭で採ったであろう花が飾ってあるのが見えたり、老犬が窓辺でひなたぼっこしていたり。このような風景はなかなか都会では見られません。

日々の営みが普通に行われていることの貴さ、ありがたさがわかる年齢になった私たちこそ、田舎旅をするべきじゃないかと最近とみに思います。国や人種、宗教などが違っても、朝起きて朝食を摂って、家事をして、仕事や学校に行って、帰ってきて、お夕飯を食べて寝る―――そういった人々の日々の暮らしが観光地よりずっと浮き上がって見えて、旅がさらにおもしろく奥深いものになるような気がします。

庭仕事の途中で立ち話している女性たち。本当に何気ない、日々繰り返されているであろう日常も、違う風合いに映ります。


運転がしやすいうえに、とっても魅力的なヨーロッパの田舎町。ぜひ皆さん、レンタカー旅にチャレンジしてみてください。
ではまた、木曜日に!

第1回「母は旅のベストパートナー?」はこちら>>
第2回「今こそヨーロッパの田舎へ」はこちら>>
第3回「ホテル選びに最大限の情熱を!」はこちら>>
第4回「眺めのいい部屋でシャンパンを」はこちら>>
第5回「私がホテルに求めるもの」はこちら>>
第6回「母にとって、楽しかった旅の条件とは」はこちら>>
第7回「母との旅の食事問題」はこちら>>
第8回「旅のファッションについて①」はこちら>>
第9回「旅のファッションについて②」はこちら>>
第10回「旅のファッションについて③」はこちら>>
第11回「旅の交通手段について①」はこちら>>
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