もう1つは、誰しも母親を求める、というもの。みかん00さんの場合は、お母さんが過保護だったとのこと。つまり、自分を溺愛して甘やかしてくれる元夫は、みかん00さんにとって母親的存在だったのです。ですが母親には恋愛感情はありません。元夫のような溺愛してくれる存在を求めてはいるけれど、彼はあくまで母親がわりなので、どうしても“男”としては惹かれにくいのです。

 

つまり、惹かれるのは父親のように無関心な男性。でも居心地がいいのは母親のように過保護な男性。みかん00さんのベースにはこの絶対的な矛盾がある、まずはそのことを認識していただければと思います。

 

さて、そこでどうするかとなると、行うべき作業は2つあります。まず、近すぎる母親との心的距離をとること。そして、離れている父親との心的距離を縮めることです。両親との心的距離においては、中庸が理想です。みかん00さんの場合は、母親とは近すぎ、父親とは遠すぎるので、母親を手放し、父親に近づく作業が必要なのです。


ただしこの場合の“離れる”、“近づく”というのは、物理的というより心理的に、です。もちろん今、父親と会話を増やしたりするのでもかまいません。が、どちらかというと、両親とのアンバランスな距離は、子供のときに形成されたものです。今のみかん00さんが父親と仲良くすることも意味はありますが、それよりも心の中で、過去の心的距離を縮める作業をおこなうことのほうが大切です。

過去の心的距離をどう埋めるのか?と思われたことでしょう。方法は2つあります。1つは、「父なりに自分を愛してくれたこと」を受け取るのです。一般的な父母の愛情表現というと、母親は手取り足取り世話を焼き心配をし……、とストレートな愛情を表現します。対して父親は、家族のために一生懸命働く、見守る、といった形で表現しますので、子はその愛情に気がつきにくいことが多い。そんな、父なりの愛情を受け取り、「私は愛されていた」と客観視することが有効なのです。

もう1つは“許し”です。本当に愛情がなかったタイプの父親なら、なぜ愛情がなかったのか理解をするのです。そのためには、父の生い立ちや親との関係、人格などを知る必要があります。この作業じたいが、父親との心理的距離を埋めてくれるからです。

このように父親との心的距離を縮めると、それまで父親に愛されたくて父親に似た人を求めていたのが、父を理解することで代理の愛情を求める必要がなくなってきます。同時に、過保護だった母親とも距離をとって、精神的自立を果たしてください。時間はかかりますが、この作業をおこなうことで、きっと幸せなパートナーシップを築くことができるようになると思いますよ。
 

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 取材・文/山本奈緒子

 

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