それと全く同じで、今の家は、キキコさんにとっては勝手知ったる我が家です。当然、娘としてのふるまいが多くなり、子どものままでいてしまうことが多くなっていると思うのですが、いかがでしょうか? 一方、夫は家だけでなく仕事までアウェイな環境にいるわけです。つまり、夫の孤独感は尋常ではないということ。だから風俗にも行ってしまったのでしょう。こういった行動から見ても、夫はおそらくまじめな方で、今日まで非常に頑張ってこられたのだと思います。しかし認めてもらえない。この孤独や絶望感は、実家住まいであるキキコさんには完全には想像できません。その隔たりがある、ということをまずは認識してください。つまり、修復にはちょっと時間がかかる、という覚悟をしていただけたらと思います。
まずは何をすべきかと言いますと、夫に感謝の言葉をかけることと、褒めることをコツコツやっていってください。おそらく半年くらいは夫から何の反応もないでしょう。それでも修復したいなら、今までの罪滅ぼしだと思ってあきらめずに続けていくしかありません。
そのうえで、今キキコさんは「家か夫か」の選択を迫られている、ということを認識してほしいと思います。これまでは、無意識のうちに夫よりも家を優先してきたのでしょう。そんなつもりはなかったかもしれませんが、少なくとも夫はそう感じている可能性が高いと思います。ですから、実家や家業を切ってでも夫を優先したいか、それを考えてみる必要があります。実家から離れて遠くに暮らす……、あるいは夫が家業から離れて別の仕事をしてもいいと伝える……、そのくらいの覚悟を持って考えてみてください。場合によっては、お父さんに家業からの引退を先延ばしにしてもらうことも提案する必要があるでしょう。夫からしますと、「社長になってしまったらもう逃げられない」という思いがあるから、今が最後のチャンスと思って、このタイミングで反撃に出ているわけですから。それでも夫を選ぶ覚悟があるなら、2、3年は夫を守ることにフォーカスして行動してほしいと思います。
キキコさん自身、家業を手伝うのではなく外で働くことについてはどう思われますか?今はホームに浸かりすぎていて、夫の気持ちを推測できなくなっていますから。そういう意味では、息子さんが言っている「少し放っておけ」というのはある意味正しいのです。そうして放っている間に、キキコさん自身が実家から自立することが、元に戻れるかどうかの鍵となってくるでしょう。
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- 根本裕幸1972年生まれ。1997年より神戸メンタルサービス代表・平準司氏に師事。2000年にプロカウンセラーとしてデビュー。以来、述べ15000本以上のカウンセリングをこなす。2001年、カウンセリングサービス設立に寄与。企画、運営に従事し、2003年からは年間100本以上の講座やセミナーもこなす。2015年より独立。フリーのカウンセラー、講師、作家として活動している。『いつも自分のせいにする 罪悪感がすーっと消えてなくなる本』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(大和書房)、『子どもの将来は「親」の自己肯定感で決まる』(実務教育出版)など著書多数。ブログはコチラ→https://nemotohiroyuki.jp/ この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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